犯罪被害者にならないために手口を映像で学ぼう

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日本人の海外での犯罪被害は「強盗と窃盗」が大半

日本人が海外でどのくらい犯罪被害に遭っているのでしょうか?

ご存じのように現在新型コロナウイルス感染症対策の観点で、世界中の国々が入国制限を行っており、この2年ほど海外旅行をする人そのものが減っているのは皆さんもご想像の通り。このため、2020年以降は海外で犯罪被害に遭う日本人の数も激減しているのは当然のことです。では、だからと言って日本人が犯罪に遭いにくくなっているか、と言われたら決してそうではないですよね。

2022年以降、海外に渡航する日本人が増えれば当然のことながら犯罪被害に遭う日本人の数も増えてくるのは容易に想像ができてしまう帰結です。今回は、海外渡航再開、海外業務の規模回復を目の前にして不用意に犯罪被害に遭わないための基礎知識をお伝えしたいと思います。

海外に渡航する日本人が極端に減った2020年以降は犯罪被害に遭う日本人の数も当然減っているが、これは犯罪が減ったからでは当然ない(外務省邦人援護統計2020年版よりキャプチャ)

こちらの記事でもご紹介しましたが、改めて外務省が発表している「海外邦人援護統計」を確認してみましょう。この統計は一年間で日本人が海外にある日本大使館や日本総領事館に届け出た各種被害、支援要請をまとめたものです。次の表でもわかるように、海外で日本人が被害に遭う犯罪の大多数はスリやひったくりのような「窃盗」か暴力を伴う「強盗」のいずれかです。

本コラム執筆時点(2022年5月)で最新版は2020年一年間の統計ですが、前述のように、明らかに海外に滞在している方が少ない一年間の統計ですので、ここでは新型コロナウイルスによる全世界での渡航自粛前2019年の数字を確認してみましょう。

 

2019-all-crime-japanese
日本政府外務省が公表する2019年「海外邦人援護統計」より抜粋

 

統計数値上、「強盗」の被害者数は241人、「窃盗」の被害者数が4260人ですので、両者を合わせれば毎日12人以上(年間4501件)、日本人が海外でこの種の被害に遭っているわけです。この数字には殴られたり、刺されたりといった「暴行」や「性暴力」被害、あるいは「詐欺」の被害者数は入っていません。海外で「強盗」と「窃盗」の被害にあった日本人が一年間で少なくとも4500人いるという事実を示しています。

 

こうした被害実態を踏まえ、外務省はもちろんさまざまな団体が

 

・海外では「ここは日本ではない」という意識を持ちましょう

・周囲に不審物がいないか気を付けましょう

・全くの初対面の人に親切にされたら本当に大丈夫か確認しましょう

 

といった表現で窃盗や強盗に対する注意喚起を行っています。

 

そうは言っても、犯罪被害の場合、実際にどんな手口があるのか、経験しようとして経験できるものではありません。実際に被害を受けるか、あるいは自分が犯罪を犯した経験がないと手口を経験することができません。とはいえ日本にいると窃盗被害に遭った経験を持つ人は少ないでしょうし、まして自分が窃盗犯だった、という方はほとんどいないはずです。

ということで、海外での窃盗、強盗手口を映像で紹介しているサイトをご紹介しましょう。

 

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すり、置き引き等の犯罪動画を見てみよう

日本人にも人気の旅行先であるスペインはバルセロナ。そのバルセロナを擁するカタルーニャ州の警察が公開している現地でよくある窃盗手口紹介動画を一緒に見てみましょう。(当サイトではカタルーニャ警察本部から動画の使用許可を得ています)

〇すり

〇置引き
路上で

ホテルで

〇ひったくり
路上で
(実際の犯罪を防犯カメラがとらえた映像です)

ATM前で

〇車上ねらい(パンク盗)
(本ページでご紹介している中ではこの映像のみ演出されたものではなく実際の犯罪の映像です)

〇その他
抱きつきすり
ほんとかよ!と思われれるかもしれませんが、実際に発生している手口です

スペイン語版ですので、正確にわからないかもしれませんがざっと見ていただくだけでも、こういうシーンが危ないんだな、こうやって皆さんの気をそらして盗むんだな、といった手口がわかっていただけるかと思います。

 

海外旅行される際、常に気を張っていては楽しめませんが、例えばホテルのチェックイン時やATMを操作した時、また不自然に人が近寄ってきた時などは心の中で警戒レベルを上げてみてください。海外に慣れている方でも、久しぶりの海外では警戒が十分にできず、思いがけない犯罪被害に遭うこともあるかもしれません。多くの方が渡航再開を検討し始めている今だからこそ、改めて基本中の基本、古典的な犯罪手口を学んでいただければと思いご紹介しました。

 

もし、よろしければ皆さんの周りで近々海外にいらっしゃる方にもこの記事を共有いただけると嬉しく思います。

この項終わり