ベネズエラ治安最新情報(2024年3月)/海外安全.jp


0.ベネズエラにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ベネズエラ日本国大使館  :+58-(0)212-262-3435

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察/救急/消防(共通) :911

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

ベネズエラに対しては日・米・英・豪とも比較的高いレベルのトラベルアドバイスを設定しています。特に米・豪両国は自国民に対しベネズエラには渡航しないよう呼びかけています。特に米国は2019年以降大使館員をベネズエラから退避させており、国民保護ができない状態であると明記しています。

日本政府は直近の治安が改善していることを踏まえ、2023年6月には一部地域の危険情報を引き下げていますが、十分な注意が必要である旨明記されています。

【海外安全.jpのコメント】

ベネズエラにおけるリスク要因は凶悪犯罪と政治的な不安定さの二つです。政治的な不安定さに起因する激しいデモや衝突は直近下火になっており、また万が一発生したとしても外国人を攻撃するような状況にはなりづらいため群衆を避けることでリスクを回避できます。他方で、凶悪犯罪についてはこの10年で犯罪発生件数が大きく減少しているものの、日本とは比べ物にならない多さであること、また銃やナイフを用いた凶悪な強盗事件も多いことから日本人は特に注意が必要です。

慎重な方はアメリカ政府やオーストラリア政府のリスク判断を重視し、現状ベネズエラへの渡航を避けることを推奨します。他方、業務上直近ベネズエラ国内での活動が必要な方などは日本政府、イギリス政府のアドバイスをしっかりと把握され、安全対策を十分に構築した上で渡航されるようおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域

スリア州、タチラ州、ボリバル州の一部

アプレ州のコロンビアとの国境付近

アマゾナス州の一部(コロンビア及びブラジルとの国境地帯)

ブラジルやコロンビアとの国境付近では武装勢力の活動がしばしば発生しており、不測の事態に巻き込まれうるため高い警戒レベルが設定されています。

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

上記を除く全土

ベネズエラの治安情勢は一時期に比べると徐々に改善している旨記載があります。2022年こそ統計として発表されている犯罪発生件数が増加に転じたとされていますが、日本政府のページで公表されている現地犯罪件数を見れば治安の改善は数字で明確です。

 2016年 324,359件(カラカス首都区:41,585件)
 2017年 274,128件(カラカス首都区:31,385件)
 2018年 184,252件(カラカス首都区:24,033件)
 2019年 141,878件(カラカス首都区:19,141件)
 2020年  96,639件(カラカス首都区:17,421件)
 2021年  94,012件(カラカス首都区:19,815件)
 2022年  97,758件(カラカス首都区:22,203件)

ただし、誘拐等データに残らない犯罪も数多く発生していることなどから首都カラカスを含め広い範囲が「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に設定されています。特に2012年1月のメキシコ大使夫妻に対する身代金目的の誘拐事件や、2013年5月のEU代表部外交官に対する強盗(誘拐未遂)が起こっている点も明記されており、日本人も警戒を怠ってはいけないとされています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

 全土で強盗や身代金目的の誘拐等凶悪犯罪が多発していること、また米国人に対するベネズエラ当局による恣意的な身柄の拘束等の恐れがあることから全土に「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。

2019年3月11日以降、米国国務省はベネズエラからの外交官を撤退したままであり、現地で米国人の保護業務等領事機能は行われていません。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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最もリスクレベルの高い「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されている地域は以下の通りです。

コロンビアとベネズエラの国境線から80キロの範囲

ブラジルとベネズエラの国境線から40キロの範囲

北西部スリア州

上記以外の地域は「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されている地域は以下の通りです。

武装勢力や薬物組織の活動が活発な地域には絶対に立ち入らないよう注意喚起がなされています。また首都カラカスを含むそれ以外の地域でも犯罪発生率の高さを理由に必要な渡航以外は行わないよう呼び掛けられています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

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新型コロナウイルスの影響が小さくなるにつれ、オーストラリア政府は全世界各地でリスクレベルの引き下げを行っていますが、ベネズエラに対しては全土が
「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されたままとなっています。犯罪発生率の高さもさることながら飲食料品や医薬品、燃料不足が深刻であることがその背景と説明されています。

6.最近の治安ニュース

(リンク挿入予定)

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