安全情報を活用してもらうための情報共有術

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必要な情報だけをシンプルに伝える

 

減量に関する情報であれ、安全管理に関する情報であれ必要以上に情報を持ってしまうと、本当に必要な情報が見えにくくなり、必要な対策が実践できなくなってしまいます。特に安全管理担当者以外の海外の事業現場で活躍される方、また短期間旅行に出られる方向けの安全対策情報は「必要な情報をシンプルに」という方針が大切です。

 

 歴史的にテロという言葉が最初に使われたのは・・・

 オサマ・ビン・ラーディンの思想とは・・・

 イスラム教のコーランには本当はこんなことが書いてあって・・・ 

 この国の犯罪集団は3つのグループがあって、それぞれの関係は・・・

 アメリカCIAのテロ対策のマニュアルによると・・・

 米軍基地の建設マニュアルで定められた壁の厚さは・・・

 

といった情報は日常的に海外の事業現場、旅行先の安全対策には必要ありません。

 

自分が知っているからと言って安全対策担当者が伝えすぎると、かえって説明を聞く側が混乱するのです。こうした情報が多すぎると、たとえ安全対策担当者が一生懸命その国の実態や複数の安全対策手法を伝えようとしても、聞き手は「注意喚起文書を読み流した」「ただ座って聞き流した」にすぎません。そうなってしまっては、双方の時間の無駄ですし、何よりいざというとき、現地で活動する方が適切な被害回避策を講じることもできないのです。

 

このため企業/団体の安全対策担当者の方は今一度、「本当に必要な情報だけを伝えているか」を確認いただきたいのです。例えば

 

 この国で気を付けるべき行動とその理由一つ!

 この国で最も発生率の高い犯罪の手口とその対策方法!

 万が一何らかの事件事故に巻き込まれた時の速やかな第一報を!

 

の3点に絞る、といった工夫です。

普段慣れていない分野の情報、初めて聞く内容の場合、記憶できるポイントは3つが限界でしょう。短期の滞在者にはあえて末節は伝えず、安全対策の根幹部分だけに絞って伝える、という判断も効果的な安全対策の一部なのです。

「海外安全.jp」代表の尾崎が講演でお伝えするポイントも一度に、3つか4つだけ。渡航者向けの説明内容はいたってシンプル

 

 

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