悪意ある他人は必ず存在している
繰り返しお伝えしているように、今般発生した誘拐未遂で悪いのは犯人である、というのが当HPの立場です。ただし、その犯罪を呼び込むきっかけを被害者側で(ご自身では意識していなかったとしても)提供していたことは類似の犯罪被害を防ぐためにも理解いただきたいのです。この指摘は、決して犯人を擁護するためでも、被害者ご家族を糾弾するためでもないのです。
以前お伝えしたように当HPでは犯罪やテロの被害は「ダイヤルロック式」で発生すると考えています(以下図参照)。犯罪やテロを計画する犯人がいるという前提に立てば、4)の運以外の要素を自分たちで可能な限りコントロールし、被害が発生しないよう予防策を練ることが重要なのです。
今回のケースで言えば、家族写真や海外での生活ぶりを公開することそのものには罪はありません。むしろ、海外での生活を控えた別の日本人の方に体験談を提供する貴重な情報源としての価値もあるでしょう。
ただし、同じ情報を悪意を持った第三者が見るとどうなるでしょうか?金銭目的の誘拐を計画しているグループや空き巣のターゲットを探している窃盗常習犯から見れば・・・。
「我々はこんな顔のこのくらいの歳の娘がいて、
こんな感じの(現地の人から見れば)裕福な暮らしをしていて、
そういえば少し前に日本円を現地通貨に交換して持っていますよ」
という情報を無防備に全世界に公開している人は格好のターゲットです。上の図にある1)リスクの高い場所、2)リスクの高い時間を自ら作ってしまっているとも言えるかもしれませんね。
情報の公開そのものに罪はありませんが、ご自身の安全確保を考えれば、それを誰がどういう目的で活用しうるのか、想像していただきたいのです。そして、その際はご自身の良識や日本人の常識とは違う物事の捉え方をする人もいるのだ、ということを念頭に置いていただきたいのです。
【次ページでは・・・世界の実情と自分の常識の「ズレ」が必要以上のリスクにつながることをご説明します】