挑戦に応じたリスクテイク

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 「安全が最優先」ではない

今年は年始早々、イランとアメリカの対立が先鋭化し、中東地域全体でのリスクレベルがあがったためか、当方ウェブサイトにも多くのアクセスを頂いております。海外での安全確保に対する関心の高まり、また当サイトへの皆様の期待も強く感じております。

 

我々は海外で活躍される皆様にご自身の身を守っていただくために必要と思われる情報を日々発信する立場です。海外での安全対策の必要性を訴える立場と言ってもよいでしょう。しかしながら、我々は安全対策こそ最優先であるとは考えてはいません。安全対策はあくまで皆さんの人生の目標、企業活動上の必要な取り組み等を持続するための方策でしかない、という考え方をしています。

 

以前コラムでも書きましたが、海外はもとより、自宅からも一切外出しなければ究極の安全対策が完成します。しかしながら、そこまでリスクを抑えてしまうと海外での貴重な生活経験も、世界を相手にしたビジネスもできません。人生においても企業活動においてもほとんどの場合、何かを得るためには必要な先行投資が必要です。時には期待した成果が得られず先行投資が無駄になることだってあるでしょう。お金や時間や、労力など様々な形の先行投資を投下することはリスクをとるということでもあります。

 

同様にご自身の身の安全というリスクをある程度は取らなければ皆さんが目指す成果を得ることはできないのではないでしょうか?世界に飛び出し実際に外国で生活する体験をしなければ、世界各地の状況を肌で感じることはできません。本当の意味での異文化交流や多様な考え方を持つ人々との議論経験も積めません。また、世界70億人を相手とするビジネスを行うためには、日本以外の国に拠点を持ったり、現地に駐在員を置いたりしなければならないでしょう。まして、最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)に本気で貢献するためには日本に比して環境の悪い国・地域での活動は避けては通れません。

 

日本国内の安全な場所に留まっていては得られない、個人レベル、企業/団体レベルの経験や成果。それを得るためには安全面でも一定のリスクを取らねばならないのは当然でしょう。安全だけを最優先に考えていては、決して得ることのできない成果があるのです。

 

【次ページでは・・・各自の挑戦に見合った適正なリスクテイクを】