緊急事態の際に発生する「魔のスパイラル」

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災害時に発生する「魔のスパイラル」

今週末もまた、日本列島に台風が迫ってきています。

9月9日に関東付近に上陸した台風15号の被害が甚大で、いまだ停電が復旧していない地区もある中で、更なる被害が心配されます。どうぞ皆様、万全の備えで安全第一の行動をお願いいたします。

 

 

さて、その台風15号で生じた被害は直接的な影響もさることながら、間接的な影響も非常に大きい自然災害でした。なぜなら、台風による強風で多くの電柱が倒れたことによる停電が発生したからです。そして停電による送水ポンプの停止が一部地域の断水にもつながりました。

台風通過から10日が経過した後も36000軒以上が停電していた(9月18日東京電力の停電情報)

 

また、台風による強風の被害を防ぐため、首都圏を中心として多くの公共交通機関が計画運休を実施しました。このため、何事もなければ数十分~1時間程度の移動ですら、支障をきたしていたのです。

電車や地下鉄、運送業といった移動そのものが仕事である業種はもちろんのこと、学校や病院、行政機関等常時サービスを維持しなければならないのに担当の方が出勤できないといったお仕事にも混乱が広がってしまいました。

 

大きな自然災害に見舞われると、普段は当たり前である電気、水道といった公共インフラ、そして移動手段が失われます。電気がなければいずれ携帯電話による通信も遮断されますし、水道が使えなければ飲食にも困る、物資を補給しようにも移動できなければ万事休す・・・とどんどん事態が悪化してしまうのです。

 

平常時にはあって当たり前のサービスがなくなると、そのサービスを前提とした各種活動が次々に停止します。その結果、さらに生活に欠かせないモノ・コトが欠けてしまう・・・。これが自然災害による「魔のスパイラル」です。2018年9月に北海道胆振東部地震でも北海道全体が停電するという前代未聞の被害が発生したため、「魔のスパイラル」を経験された方も多いのではないでしょうか?

 

こうした「魔のスパイラル」があっても、個人レベルでサバイバルするための方策はあります。このため国や地方自治体を中心に各家庭で停電時の対応、断水時の対応、自宅から出られなくなった時のための備蓄などを積極的に呼びかけているのですね

 

【次ページでは・・・海外で緊急事態に巻き込まれるとどうなるかイメージしてみましょう】