100年に1度が毎年起こるという現実

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台風15号の甚大な被害

お久しぶりです、尾崎です。

 

2019年9月8日~9日にかけて日本の関東地方に台風15号(ファクサイ)が上陸、縦断し甚大な被害をもたらしました。特に千葉県では豪雨とともに強烈な風による被害が深刻でした。

台風が去って一週間以上経過した18日の時点でも依然として停電が続いている地域がかなり残っています。2018年の北海道胆振東部地震に伴う全道停電に引き続き、日本国内で大規模な停電が続いている事例となります。

 

今回の台風でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々が早く日常生活を取り戻せるよう願っています。

 

9月18日東京電力のサイトで公開されていた停電情報

 

さて、今回の台風は関東地方に接近、上陸する前から「関東に接近する台風の中では過去最強クラス」と言われていました。屋外に出ることが極めて危険であり、外出を控えるよう気象庁が緊急記者会見でも呼びかけました。

その際に使われた

「今晴れているということで安心している人も多いかもしれないが、夜になって接近とともに世界が変わる

というフレーズは大変緊迫感とインパクトが伝わる表現だったように思います。

 

実際に、被害が大変大きくなったことから改めて自然の猛威を痛感している日本人の方も多いでしょう。昨年は広島や岡山でも「100年に一度」の豪雨により、甚大な被害が発生しました。なんだか毎年のように「〇年に一度」と表現される大災害が発生しているように思いませんか?

 

自然災害は本サイトの専門ではありませんが、少し調べてみました。

過去5年の日本国内の被害をさかのぼるだけでも

 

2014年 8月 広島豪雨の継続

2015年 9月 関東~東北での豪雨(鬼怒川氾濫)

2017年 7月 九州北部豪雨(福岡・大分土砂災害)

2018年 7月 広島、岡山豪雨の継続

 

とほぼ毎年のように雨、洪水、土砂崩れ等が発生しています。

 

体感だけではありません。実際に気象庁のHPでも過去106年間、日本各地51か所の雨量計測地点を比較し、確率降水量が後半53年の方が増えていることが説明されています。

 

これはどういうことかというと、原因はともかくとして「100年に一度」クラスの災害が既に100年に一度よりも多く発生する環境になっているということです。

 

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ニューノーマルに対応する

地球環境の変化が確実に我々の生活を脅かすようになってきていることは皆さんもお感じになっているのではないでしょうか?

 

2019年9月11日に国土交通大臣に就任した赤羽氏は就任記者会見で「発生のたびに100年に1度の規模だといわれるが、今後は毎年起きると思って対策を進める必要がある」と発言しています。文字通り100年に一度に発生するのであれば、人間が一生のうちに経験したとしても一度。国家レベルでもそこまでの備えを税金を使ってやる必要があるのだろうか?という議論になります。

 

しかしながら、過去のデータ上「100年に一度」でも、時代が変わり、環境が変わった今は過去の100年に一度クラスの災害が毎年起こるようになったらどうでしょうか?これまでは例外として扱ってきた大規模な災害が毎年起こるという前提で、排水設備や氾濫対策、土砂災害対策、避難所の備蓄等を進めざるを得ませんね。

 

災害対策を所掌する国土交通省のトップである大臣が就任早々このように述べたという事実は、地球環境の「ニューノーマル」への対応に舵を切ったという意思表明ではないでしょうか。

 

「ニューノーマル」という言葉はもともと経済分野の用語で、2008年のリーマン・ショック後経済の理論が一変し、元の状態には戻らなくなった=「新たな通常状態」が生まれたのだということを表現する言葉です。

 

「100年に一度」の災害が毎年起こるというのはまさに、人類がこれまで観測してきた自然現象が「ニューノーマル」になっていること。通常の状態が過去とは違うのであれば、対策も当然異なってくるというわけです。

 

 

実はテロの発生についても似たような「ニューノーマル」の兆しが見えています。

2017年世界全体でのテロによる死者数は史上最悪だった2014年に比べ約4割減少しました。ただし死者数の減少の大部分は過去数年テロが頻発し続けているアフガニスタン・イラク・ナイジェリアの三か国の治安改善が主要因です。そして、残念ながらこれら三か国以外ではテロによる死者数はほとんど減っておらず、2004年と比較しても約3倍の水準となっているのです。

 

加えてテロによる死者が発生している国も拡散傾向です。2004年に1人以上テロによる死者が発生した国の数は39か国でした。これが、2016年は79か国、2017年は67か国とほぼ倍となっています。

 

 テロが発生する国なんて、ごく限られているでしょ?

 自分が旅行に行く国ではテロなんか起こらないはず

 日本企業が多く進出しているのだから安全だろう

 

という考えはもしかしたら通用しなくなっているのではないでしょうか?テロに関しても世界的に「ニューノーマル」に備えなければならない時代が来ているのかもしれません。

 

 

自然災害の被害に遭った方々のインタビューでよく耳にするのは

 

「まさかこんなに雨が降るとは思わなかった」

 「まさか我が家が浸水するとは思わなかった」

 「過去〇年ここで住んでいるが、こんな被害が出たのは初めてだ」

 

といった言葉。決して自然の猛威を軽視していたわけではないと思いますが、それでもどこかで「これまで大丈夫だったのだから」という考えが浮かんでしまいがちなのでしょう。テロに対しても「これまで大丈夫だったのだから」で済ませてよいでしょうか?特に自然災害以上に命を落とす可能性があるテロこそ、被害が出る前に「ニューノーマル」への対応を進めなければならないように思います。

 

この項終わり