テロを実行するための四要素
(このコラムはタイトルのクイズの答えを想像しながらお読みください)
7月31日~8月3日頃はイスラム教徒の多い国で犠牲祭(イード・アル・アドハ―)が祝われるタイミングです。宗教心の高まりや宗教行事が増えることなどを背景に年間を通じてテロが発生したことの多い期間ほ一つです。日本政府外務省も「広域情報」という形でテロや誘拐等への注意を呼び掛けています。今回はテロや誘拐を実行する側の思考回路を解説してみたいと思います。
皆さんはテロリストというと、残忍無比で人間味のかけらもない存在だと想像していませんか?大きなテロの場合、女性や子供はもちろんのこと、事件とは全く無関係の一般市民も犠牲になることが多いので、そういった側面は否定しきれません。
では、彼らが全く無分別で教育もなく、ただやみくもに攻撃しているか、と言われるとそうではありません。むしろ、命がけで何らかの目的を達成するために、イメージとは裏腹にかなり入念に事前の計画・準備を行っています。インターネット上の情報はもちろんのこと、標的とする建物の警備状況や殺害したい人物の行動パターンなどの下見は必ず実施されています。また、場合によっては軍隊顔負けの実践的な襲撃訓練などを行った上で本番に臨むことさえあります。
テロによる被害が結果的に無差別かつ残忍なことになるため、テロリストに対し「未開で野蛮、論理性の欠片もない連中」といったイメージが先行しがちです。しかしながら、テロリストにはテロリストのロジックがあり、また目的達成に向けてしっかりと準備をしているのです。
【次ページでは・・・テロを実行するために、どのような準備がひつようなのかをご説明します】