テロ被害の「時間ロック」を解錠させないために

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テロや暴動が発生しうるタイミングを避ける

 

日本人も海外でテロや襲撃の被害に遭う事例がたびたび報じられていますが、日本人だけを標的として狙い撃ちされた事例はほとんどありません。(一般犯罪の延長や個人的怨恨等による殺人事件に近い事案は別ですが・・・)このため、先日お伝えしたように、日本人にとってはテロの被害を避ける=巻き添え被害を避ける、と言っても過言ではありません。

 

そもそもテロや襲撃の発生しそうな時間帯、場所に居合わせなければ巻き添え被害に遭うことはありません。また、万が一事件現場付近にいたとしても異変にいち早く気づき、1メートルでも2メートルでも中心地から離れることができれば、命だけは助かるかもしれません。つまり、巻き添えに遭わないためには以下の三つの「カン」が大切なのです。

 

1)空間:テロが起こりそうな空間に近づかない

2)時間:テロが起こりそうな時間を避ける

3)観察力:テロの予兆がないか観察する

 

この三つと運の四つの要素は「ダイヤルロック」のようにすべてがかみ合ってしまった場合に、被害が発生してしまうのです。逆に言えば、運以外の三要素を意識的にずらすように日ごろから心がければ、巻き添え被害を受ける確率を格段に下げることができます。

 

特に重要なのは1)空間、と2)時間、です。こちらのコラムでも触れていますが、テロや襲撃の実行犯/実行グループもやみくもに事件を起こしているわけではありません。そのため、特に大規模なテロや襲撃等の場合、事前に狙われそうな場所、狙われそうな時期・時間は多少なりとも予測することが可能なのです。

 

 

もちろん、セキュリティコンサルタントと呼ばれる人間も、未来が見える予言者ではありません。このため、正確にいつ・どこで、どのような事件が発生するか読み切れるわけではないのですが、世界情勢やあちこちの過激派武装勢力のこれまでの実績、声明文、各地でのイベント、政治情勢などを把握している人間にご相談いただければ、テロや襲撃、暴動などが発生する可能性をいくつかのシナリオを基に想定することが可能なのです。

【次ページでは・・・事件が発生するタイミングを避けるヒントを具体的に説明します】