【参考情報】マンション管理と安全対策の共通点

この記事のURLをコピーする

管理組合から管理会社への一任契約慣行

この記事で問題提起されていることの一つは住民同士の意思決定機関である管理組合が、マンション維持管理の専門企業である管理会社に依存しきってはいけませんよ、ということです。

特集記事から少し引用してみたいと思います。

 

マンションの場合、管理組合が組織され、理事会を中心に管理・修繕などに関して意思決定を行う。しかし、一般的にその役員は1、2年の輪番制が多く、管理に関する知識が人に集積されない。そもそもマンション管理に関しては素人の集団だ。「プロが言うことに全て任せる」と、大半の管理組合が管理業務を委託する管理会社に言われるままに経費を支払っていることが多い。

その結果、それらの支出がマンション管理に見合ったものかどうか判断できないだけでなく、日々の管理と大規模修繕のための財布を混同し、気がついたら大規模修繕の資金が足りなくなっていた、というケースも少なくない。

(「Wedge」2018年10月号特集16ページより)

 

尾崎が過去住んでいたマンションでも理事会メンバーは毎年変わっていました。それも住民間の抽選でメンバーが選ばれており、マンションや不動産、もしくは上下水道等設備に詳しい方から選ぼう、という方針もありませんでした。ですので、この記載は「まさにその通りだな」と感じます。私自身の生活環境を振り返ってみると、これまでの転居生活の中で、のべ3つのマンションに生活してきました。がいずれも、管理については管理会社にほぼ一任していたような記憶が残っています。

 

だからといって、決して理事会メンバーだった皆さんを責める気にもなりません。

 

「相手は専門家だし、自分たちは来年担当が変わるので、まぁとりあえずお任せしておこう」

 

といった考えになるのもわからなくはありませんね。もし自分が抽選で選ばれていれば似たような決断を下していたでしょう。ただ、この連鎖が管理会社への一任を慣行化し、年月が経てばいつか一任が依存に変わっていくような気もします。

 

築20年くらいまでは、マンション建設時のクオリティが高いからでしょうか。おそらく老朽化による不具合はほとんど発生しません。しかし、それが30年経ち、40年経ち、本当に問題に向き合う必要が生じてくると、管理組合による維持管理・修繕計画の有無、優劣が一気に問題として火を噴きかねないのだと思います。管理会社に依存していたマンションほどのそのダメージは大きいのではないでしょうか?

 

実際にこの記事では管理不全に伴う老朽化により生活環境が悪化し、住民が外国人ばかりになり、より一層衛生環境の悪化や騒音被害が広がってしまったというマンションの実例が説明されています。

 

【次ページでは・・・安全対策とマンション維持管理の共通点から、改めて安全管理のあるべき姿を考えます】