壁紙の模様に気づけるか?

この記事のURLをコピーする

日本語ニュースは起こっていることのごく一部

さて、皆さんは世界のあちこちで発生している出来事をどのようにして知りますか?たいていの方は何らかの形で「ニュース」として報道される情報に触れて世界中で起こっていることを把握するのではないかと思います。テレビや新聞、あるいはインターネットで多く取り上げられるニュースにはさすがに目が行きますし、記憶にも残るでしょう。

 

2019年8月、香港国際空港を占拠したデモ隊の様子(CNNのウェブサイトよりキャプチャ)

 

例えば、今年6月以降継続している香港での民衆デモなどは良い事例かもしれません。日本からも近く、多くの観光客が訪れる香港で、過去に発生したことのない出来事が起こっているため日本語でも多く報道されています。

 

しかしながら、同じような大規模民衆デモが発生している国・地域の情報は同じように日本語ニュースになっているでしょうか?例えばレバノンでは10月中旬から断続的に反政府デモが発生しており、香港同様治安部隊が鎮圧のために催涙弾等を使用しています。12月14日にはレバノンの歴史上でも最大規模の民衆デモが行われ、再度治安部隊とデモ隊との衝突が発生しました。負傷者数も増加しているのですが、なかなか日本語主要メディアには取り上げられません。

 

他にもボリビアでは民衆デモをきっかけに長期にわたり政権を維持してきたモラレス大統領が亡命するまでに至っていますが、こちらも日本語のテレビでのニュースは見かけませんし、新聞も大きくは報道しないままとなっています。

 

日本語のメディアはあくまで日本国内に暮らす人々に「受け止めてもらえそう」なニュースを選別して報じられているのです。香港は一定数以上の日本人に関係し、地理的にも近いので報じる一方でレバノンやボリビアの出来事で影響を受ける日本人は少ないからあえて時間を取らなくても・・・という考え方は理解できるものです。

 

しかしながら、忙しい毎日を過ごされている方ほど、日本語メディアで報じられないニュースをまでチェックすることは難しいでしょう。実際には世界各地で犯罪や政治的混乱、テロ等命に係わる事件が発生しているにも関わらず、です。まるで飲食店に入って食事をしたけれどもその内装は見ているようで見ていない、というのと似ていませんか?

 

【次ページでは・・・海外に渡航する際は日本語メディア以外も要確認です】