2021年、予期できるリスクはある

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テロや暴動は一定程度予測できる

新型コロナウイルスに全人類が翻弄された2020年がまもなく終わろうとしています。12月中旬になって、イギリスでは更なるウイルスの変異が発見されたと報じられており、オランダを先頭に、ドイツ、イタリア、フランス、ベルギー等多くの国がイギリスとの間の往来を一時的に禁止するなど、依然として混乱、試行錯誤が続いています。

 

新型コロナウイルス感染症の広がりやその影響、また終息の見通しについて、現時点で正確に見通せる方はいないでしょう。相手は人類がこれまで対峙したことのない「新型」ウイルスです。そして現在進行形で変化し続けており、人間側の対応は追いついていません。情報収集をされている方、遺伝子の分析をされている方、ワクチンや治療薬の開発を進めている方。多くの方が最善の努力をされているとは思いますが、確からしい予測は難しいはずです。

 

さて、ウイルスへの対処の基本もまずは情報収集になるのですが、海外における安全対策の第一歩も事前の情報収集です。日本人も海外でテロや襲撃の被害に遭遇するようになったとはいえ、日本人だけを標的として狙い撃ちされた事例はありません。(一般犯罪の延長や個人的怨恨による殺人事件等は別ですが・・・)

そのため、海外でテロや襲撃による被害を避けるためには「巻き添え被害」を避けることが大切になってきます。そして、巻き添えに遭わないためには以下の三つの「カン」が大切です。

 

1)空間:テロが起こりそうな空間に近づかない

2)時間:テロが起こりそうな時間を避ける

3)観察力:テロの予兆がないか観察する

 

皆さん自身が直接攻撃を受けるような身に覚えがない場合、上記三つを意識すれば、意識しない場合に比して被害を受ける確率を格段に下げることができます。

特に重要なのは1)空間、と2)時間、です。こちらのコラムで詳述していますが、テロや襲撃の実行犯/実行グループもやみくもに事件を起こしているわけではありません。そのため、特に大規模なテロや襲撃は、事前に狙われそうな場所、狙われそうな時期・時間を多少なりとも予測することが可能なのです。

 

もちろん、我々のような安全対策コンサルタントと呼ばれる人間も、未来が見える予言者ではありません。このため、正確にいつ・どこで、どのような事件が発生するか読み切れるわけではないのですが、世界情勢やあちこちの過激派武装勢力のこれまでの実績、声明文、各地でのイベント、政治情勢などを把握している人間にご相談いただければ、テロや襲撃、暴動などが発生する可能性をいくつかのシナリオを基に想定することが可能なのです。

 

 

【次ページでは・・・渡航先のイベントを把握することも立派な安全対策です】