海外で活用可能な病院の探し方

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海外勤務者の健康管理は大きな課題

先日当サイト代表がご依頼を頂いた講演の中で、「現地で信頼できる病院はどのように探せばよいのでしょうか?」という質問を頂きました。講演の中で新型コロナウイルス感染症の現状と渡航再開に向けての判断基準などをお話したこともあり、海外での体調管理にもご関心が向いたものと思われます。

 

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日本政府外務省が指定する世界の感染症危険レベル(2020年9月末)

 

2019年12月頃から広がったと言われている新型コロナウイルス感染症の影響は、2020年の10月を迎えても依然として世界全体に広がったままです。当サイトの運営するツイッターでは、大手メディアよりも多少早く2020年1月5日に第一報を発し、香港や中国の方に注意喚起を呼び掛けていました。しかしながら、10か月が経過した今もこれほどの影響が及ぶことになろうとは全く予想もしていなかった事態です。

 

当然のことながら、メディア等で情報が大きく取り上げられ続けていますので、日本企業・団体の方も世界各地でご活躍される方の健康管理にご関心が向きやすいのでしょう。さらに言えば、一部の企業様からは具体的にこういうケースでどうしたらよいか?というご相談を頂くことも増えています。

 

海外に支店や支社を設置したり、あるいは出張者を派遣する際の現地医療体制への懸念が一気に表面化していると言い替えてもいいいのかもしれません。新型コロナウイルス感染症の影響が広がる前までは、そんなこと気にしたことすらなかったという方、企業・団体も多かったのかもしれません。特にビジネスのために海外進出を検討される場合、まず気になるのは現地の法規制や商習慣、現地パートナーの信頼度、銀行取引あるいは外国為替上のリスク等ではないかと思います。健康管理や安全管理の重要性はわかっている方でもまずはビジネスの可能性を調査する、というのは理解できます。しかしながら、いざ予想もしていなかったような状況に陥ると、これまで無視あるいは過小評価していたリスクについて正面から向き合わざるを得なくなりますね。

 

新型コロナウイルス感染症流行中はもちろんのこと、この後に流行するであろう更なる新型ウイルス、未知の病原体に備えるためにも海外への関係者派遣を行う方にとって進出先の医療体制を確認したいというニーズは高まっていくのではないかと考えています。特に現地で日本人でも活用できそうな病院はどうやって見分けたらいいのか、という疑問をお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

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実践的な病院の探し方ポイント

海外に進出する、出張者を派遣することは、ビジネスのグローバル化が進む中で今後も避けて通れそうにありません。その一方で、これまでは無視あるいは過小評価できていた関係者の健康管理について、企業・団体に求められる責任は重くなりそうです。皆さんご存知のように新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴って、派遣される方、そのご家族、そしてステークホルダーとしても企業・団体が医療面のリスクを承知しているか、万が一の対応体制が備わっているか、に関心が向いてしまったからです。

 

 

特に海外滞在中に関係者が体調を崩した際、最初に訪れる可能性があるのは現地の病院です。ただし、日本の病院と海外の病院では勝手が違います。日本であればどの病院であっても一定以上の清潔さが保たれていますし、日本語である程度納得のいく説明が得られるはずです。総合病院や大学病院であればもちろんのこと、個人経営の医院であってもお医者さんの技能を疑う必要性もありません。また、国民皆保険制度の恩恵により金銭面でも自己負担が大きくなることもないはずです。

 

他方で、土地勘のない海外で、衛生観念も違う、日本語での説明も受けられない、担当医の技術レベルの判断が難しく、料金体系や支払い方法もよくわからない、といった状況下ではどの病院に行けばいいかすらわからないのではないでしょうか?先般、代表の講演中にもご質問を頂きましたので、以下簡単ではありますが海外でどのようにして病院を探したらよいか、羅列をさせていただきます。(より詳細をお知りになりたい方はコチラからコンサルティングのお申し込みをお願いいたします)

 

 現地事業パートナー等からの推薦

 現地従業員が受診している/受診したいと思っている病院の確認

 日本国大使館・総領事館の医務官からの推薦

 現地日本人会等で評判のよい病院

 加入している保険会社の現地提携病院

    病院の立地条件、周辺環境

 現地責任者あるいは本社の幹部レベルによる実地訪問

 

なお、時々

 

「大使館や総領事館の医務官に駆け込めばなんとかしてもらえますよね?」

 

というコメントを頂くことがあります。大使館や領事館の医務官の先生も緊急時は邦人保護業務の一環として診察してくれる可能性があるのですが、医務官の先生がいるから自分で病院を探さなくてもよいというのは間違いです。

 

例えば、ドクターのキャリアガイドページの一つに長く大使館等で医務官を務めてこられた方のインタビュー記事が掲載されています。

 

外務省医務官の仕事は基本的には大使館員とその家族の健康管理です。産業医的な立ち位置で、現地の大使館で勤務している職員の毎日の診療や健康管理をしており、それ以外で在外邦人とか旅行者の相談にも応じています。

 

と記載されている通り、大使館/総領事館内に勤務する医務官の業務は館内関係者の健康管理が最優先です。その上で、現地在留邦人や旅行者等緊急に医療行為が必要な方には治療や相談を行います、というのが実態です。

つまり、

 

 体調不良の時は医務官の先生に診てもらえる前提で渡航する

 「困ったときには医務官の先生に相談しろ」と言って送り出す

 

は健康管理上のリスクにきちんと対応できているとは言えないのです。

 

海外での健康管理、安全管理の原理原則はあくまで「自分の身は自分で守る」。海外進出先あるいは出張先でも信頼できる病院を探しておくこと、また万が一症状が深刻な場合にはどうやって信頼できる病院まで移送するのか、を考えておくことをおススメします。

 

この項終わり