カメルーン治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.カメルーンにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在カメルーン日本国大使館  :+237-222-206-202

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :17

◎救急  :19

◎消防  :18

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

カメルーンの治安についていずれの政府も不安定であるとの評価をしています。特に北部および英語圏(北西州、南西州)、隣国との国境地域についてはほぼ全域に対し、全政府が渡航しないよう呼び掛けています。
首都ヤウンデや西部ドゥアラといった大都市では渡航を止めるような記載はありませんが、それでもなお銃器やナイフを用いた凶悪な犯罪が発生していることが明記されています。現地での行動に関し、各国とも詳細なアドバイスを記載しています。
日本政府外務省は特にバーや市場等人が多く集まる場所を可能な限り避け、もしそうした場所を訪問する場合でも用事が終われば速やかにその場を離れるようアドバイスされています。

【海外安全.jpのコメント】

カメルーンに対しては、全政府ともボコ・ハラム等勢力の強いテロ組織や英語圏分離派の過激な活動、また国境を越えた武力紛争リスクを極めて厳しく評価しています。特に極北州、北部州、北西州、南西州はどの政府も渡航を止めるよう注意喚起しています。

日本政府外務省は2018年4月に北西州、南西州の危険情報を引き上げましたが、他国は既にさらに高いレベルの注意喚起を発している状況です。当サイトとしても最新の両州における治安情勢を考えると極力この地域には立ち入らないことをおススメします。万が一両州への立ち入りが必要な場合は現地に詳しい信頼のおけるガイドを雇用する、また専門のセキュリティ会社を雇用するなど万全の対策をおススメします。

首都ヤウンデや西部ドゥアラ等は一般的に渡航が可能ですが、犯罪の発生率やその凶悪性は非常に高いです。各国とも詳細に犯罪被害に遭わないためのアドバイス、被害に遭ってしまった際身を守るためのアドバイスを記載しています。カメルーンに渡航される場合はかならずこれらの注意事項をお読みいただくことをおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル4:退避してください」が設定されている地域

極北州

「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域

中央アフリカ国境地帯、北部州ナイジェリア国境地帯及びチャド国境地帯

北西州及び南西州

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域

・北部州(ナイジェリア国境地帯・チャド国境地帯を除く)

・アダマワ州のナイジェリア国境地帯

・西部州の北西州との州境地帯

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記以外の地域全土

 

極北州では、ナイジェリア北部を中心に活動しているイスラム過激派組織ボコ・ハラムによる外国人の拉致事件、自爆テロ事件が現在も断続的に発生しており、「レベル4:退避してください」が設定されています。

 

中央アフリカ、ナイジェリア及びチャドとの国境地帯は襲撃事案、誘拐事案等が頻発しているほか、政府軍との衝突も発生していることから「レベル3:渡航は止めてください」が設定されています。陸路でのカメルーンと中央アフリカ、ナイジェリア、チャドとの移動も「非常に危険」との記載があります。

英語圏である北西州及び南西州に対しては、英語圏の分離独立派と治安部隊との衝突が続発していること、また外国人が身代金目的で誘拐、殺害される事件も発生していることから、注意喚起を強めています。また北西州の外でも州境付近は2024年4月の時点で「レベル1」から「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」に危険情報が引き上げられています。

 

レベル1の地域であっても、殺人、強盗、窃盗等の一般犯罪は日常的に発生している旨記載があります。特に、ヤウンデ市やドゥアラ市等の大都市では、強盗が多く発生しており、銃器や刃物を使用し、被害者が抵抗した場合には殺傷事件に発展するケースも多発している旨明記されています。

夜間の外出を控える、万が一強盗に遭遇した場合には抵抗しない、バーや市場等人が多く集まる場所を極力避ける、といったアドバイスが列挙されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー


極北州、北部州、北西州、南西州、東部州都アダマワ州の一部

これら地域では犯罪、テロ、市民騒擾のリスクが高いことから最も高い警戒レベルである「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。

上記を除く全土に「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。

 

全土でカージャック、武装強盗といった暴力的な犯罪が多発しており、十分な注意の上旅行するよう強い注意喚起がなされています。具体的には高級腕時計や宝石等が見える華美な格好をしない、デモや集会を避ける、現地ニュースを注意して確認する、といったアドバイスがなされています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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極北州とナイジェリア・チャド・中央アフリカとの国境から40キロの地域、バカシ半島、南西州のディアン郡に対し、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。

ただし、極北州の州都マルアから北、東、西側に半径20キロ、南側に半径30キロの範囲、南部リトラル州内の国道3号線の一部については「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」とされています。上記以外の国土南部地域については首都ヤウンデを含め「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」にとどまっています。

 

イギリス政府は極北州を中心としたボコ・ハラム等によるテロリスク、英語圏(北西州、南西州)を中心とした英語圏分離派の暴力的な活動に対し、特に警戒が必要である旨記載しています。

また、「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」と評価されている地域であっても首都ヤウンデやドゥアラといった大都市を中心に武器を用いた強盗やスリ等の一般犯罪が多発していることが明記されています。特に大勢が行きかう場では手荷物・貴重品の管理に注意するよう呼びかけられています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で首都ヤウンデを含む南部を中心に「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。

極北州、北西州、南西州と中央アフリカ、チャドとの国境から40キロの地域、ナイジェリアとの国境から40キロの地域(アダマワ州のみ)に対し、最も警戒レベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。次に警戒レベルの高い「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」は北部州およびアダマワ州に設定されています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

カメルーンでは極北州、北西州、南西州と中央アフリカ、チャドとの国境から40キロの地域、ナイジェリアとの国境から40キロの地域(アダマワ州のみ)に対し、最も警戒レベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。

次に警戒レベルの高い「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」は北部州およびアダマワ州に設定されています。

残る全土は5段階中真ん中となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

 

特に北部および英語圏の北西州と南西州ではテロ、地元での暴力や誘拐のリスクが極めて高く評価されており、渡航を避けるよう呼びかけられています。

 

その他「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」に留まっている地域でもテロや暴力を伴う凶悪犯罪のリスクが高いとされています。具体的に以下三点を守るようアドバイスされています。

・暗くなってからの移動を避けること(特に市部の外)

・自身の安全に常に注意を払うこと

・車両で移動する際は常時ドアのロックをかけ、窓をしめ、貴重品が見えないようにすること

6.最近の治安ニュース

カメルーン西部村落への武装集団襲撃事案(2023年11月6日)

カメルーン英語圏分離派による選挙妨害(2023年3月)

カメルーン南西部マラソン大会での爆発事案(2023年2月25日)

カメルーン首都市場での爆破事案(2022年7月12日)

カメルーン英語圏での銃撃事案(2022年1月12日)

カメルーン最大都市での爆発事案(2020年11月19日)

カメルーン英語圏学校襲撃事案の続発(2020年11月3日)

カメルーン首都バーでの爆発事案(2020年11月1日)

 

2021年3月頃から、カメルーンの英語圏(北西州、南西州)を中心に分離独立を主張するグループと軍・治安当局の衝突が目立ってきています。民間人の死亡事例も複数報告されており、巻き添え被害等には十分注意が必要です。

 

2018年11月5日北西州で寄宿制の学校が何者かに襲撃され生徒ら82名が誘拐されました。既に生徒79名は解放されていますが、校長等大人3名が依然拘束されています。

各国政府が注意する誘拐リスクの一例です。

カメルーン北部で学生ら80名以上が誘拐される

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