安全管理業務に「奇跡の一手」はない
代表の尾崎です
新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が広がっているようです。大規模イベントの自粛要請もあり、尾崎が登壇する予定だった講演・セミナーも複数キャンセルになっています。皆様もどうぞ体調管理にはお気をつけてお過ごしください。
このHPのコラムもだいぶ数が増えてきました。毎回掲載前の記事を確認していて改めて強く感じたことが一つ。それは、安全管理業務にはこれだけやっておけばなんとかなります!といった「奇跡の一手」のようなものはないのだな、という事実です。
毎回安全管理関連の知識や具体的な業務の進め方を文字でご紹介していますが、読んでみると、ごくごく当たり前のことばかり。諸先輩方が様々なメディアで語られてきた内容との重複も多いです。読者の方からも「それはわかってるんだけど」といったお声をいただくこともありました。ことほど安全管理業務は当たり前の積み重ねであり、全く新しいフレームワークやはたまたスパイ映画さながらの秘密任務等は縁遠いのかもしれません。
ただし、頭で理解していることと、それを実践することの間には大きな差があります。
私に安全管理について相談なさる経営者の方は当然、安全管理への投資が必要であることを認識されている、意識が高い方ばかりです。では、そうした経営者のいる組織・団体が安全管理業務を実践できているかといえば、そうでもない、というのが実態です。
そういう時に、私の助言はシンプルです。
「◎◎さん、安全管理のABCを実践しましょう。
やるべきことはこれとこれ。
やり方は私が教えます。
社内での継続を指導していただければ
御社の安全管理のレベルは確実に上がります」
私の言う安全管理のABCは次の三つ。
A=当たり前のことを
B=馬鹿にせず
C=ちゃんとやる(やりつづける)
新人教育などでも使われるような、ありふれた標語です。
ただ、これを実践し続けるのは容易なことではありません。巷にあふれる大多数のノウハウ本、自己啓発本も突き詰めていけばビジネスにおける「当たり前」の紹介ですが、あれだけの本が次々出版されているのはBとCが実践できていない人が多いからではないでしょうか?
安全管理も同じで、我々は「当たり前」の業務をご紹介したり、使い勝手のいいフォーマットを紹介したり、といったことはいくらでも対応させていただきます。ただ、馬鹿にせず、ちゃんとやる(やりつづける)ことができるのは安全管理を必要としている皆さん以外にいません。皆さん自身の継続的な取り組みが皆さん自身や同僚を守る貴重な力になるのです。
安全管理の「当たり前」はほとんどの人にできる
「そうはいっても、『当たり前』の業務が専門的過ぎるんじゃないの?」
とお考えでしょうか?
そういう場合はぜひ当サイトお問合せ窓口までご連絡、ご相談ください。
当サイトが広めたいと考えているのは、誰でもできる安全管理の基本の基。
赴任者・出張者の人数や滞在先をきっちりと管理しておく
緊急連絡網を抜かりなく作る
リスクが高まる日程やリスクの高い場所を回避する
進出先・出張先の現地新聞のあるテーマを毎日チェックする
文字にしてしまえば拍子抜けするくらい「当たり前」の業務ばかりですが、安全管理業務の質を高めるためのちょっとしたやり方のコツをお伝えさせていただきます。
そうそう、今世間を騒がせている新型コロナウイルス問題でも、個人レベルでしっかりやるべきことは手洗い・うがい・咳エチケットとのこと。この三つを実践するために特殊な能力は必要でしょうか?医学的な専門知識は必要でしょうか?感染症予防も「当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとやる」ことが重要なのでしょうね。
当たり前のことをしっかりやりましょうというおススメを言い換えれば、当サイトで推奨する安全対策の大半は
「コツさえわかれば、誰にだってできる=人事異動があってもすぐにカバー可能」
というものです。スパイのような特殊な技能がなくても、特殊部隊のようなハードな訓練がなくても、できることがあります。問題はそういった業務を馬鹿にせず、ちゃんと続けられるか。
皆さん自身をご自身と同僚とで守れるように。尾崎と当サイトの切なる願いです。
この項終わり