海外で身を守るためには「出発前の情報収集」が肝心!
旅行会社大手JTBの発表によれば2025年の7月後半~8月にかけて海外旅行に出かける日本人の方は前年比20%以上の増加が見込まれているようです。コロナ禍前の水準(2010年~2019年)と比較しても9割以上海外旅行需要が戻っているとのこと。世界は広く、日本にいては見られない景色や独特の体験ができるという点で海外旅行は魅力的です。また、日本は島国で、生活に便利なシステムが整備されすぎているきらいがあるため海外に旅行して日本を客観的に見つめなおすこと、日々の「当たり前」がいかにありがたいことなのか、を再確認したり、人口が減少傾向にあり経済的にも停滞感の強い日本と成長著しい国の比較をしてみる、というのもおもしろいかもしれませんね。
ただ、日本から海外に旅行するということは、土地勘があり、言葉も通じ、いざという時にどうしたらいいかわかっている環境を離れ、経験したことのないトラブルが起こりうる土地へ移動するということでもあります。その分、危険な目に遭わないために、また万が一トラブルに巻き込まれても被害を大きくしないような対応策を知っておくことは皆さんが安全に帰国するために必須の取り組みと言えます。こうした背景から、当サイトでは海外旅行に出発する前の
事前の情報収集
適切な予防策
万が一の際の基礎知識
の有無、適否によって
現地で危険な目に遭うかどうか、
命を落とすか落とさないか、
ケガをするかしないか、
の明暗が分かれます、との考えを持っています。つまり現地に駐在する際や旅行に出発する前に、現地の事情を調べ、
リスクがあるかどうか
リスクがあるなら、適切な回避措置は何か?
リスクが大きすぎるなら現地渡航を止められるか?
をあらかじめチェック、検討する人と、そうでない人では危険な事案に巻き込まれる可能性が違います、という考えを持っているということです。大多数の方は事前の情報収集有無に関わらず、無事にご帰国されることの方が多いです。ただし、いざ地震や台風のように皆さんに身近な自然災害でもいざ被害に遭った時にそれまでの備えができているかによって被害の度合いが変わってくるのはご承知の通り。だからこそ、何の災害も発生していない時には飲食料品の備蓄やハザードマップの準備は無駄なように見えますが、いざという時に役立つのです。
ビジネス上の失敗や趣味で取り組むスポーツや芸術活動での失敗であれば、命まで奪われることはあまり想定されないので、失敗もまた「次」の成長の機会とすればよいでしょう。しかしながら、こと自然災害や海外での安全管理に関しては、万が一なんらかの事案に巻き込まれた場合最悪、「次」が存在しないこともありえます。皆さんが命を落としてしまっては反省を生かすチャンスは来ませんよね。
海外で深刻なトラブル事案に遭遇した後に
もし、事前に情報を知っていれば!
もし、旅行中に危険情報が届いていれば!
もし、渡航のタイミングをずらしていれば!
そう後悔しても遅いのです。2025年には5月にインドとパキスタンの間で、7月にはイランとイスラエルの間でそれぞれ大規模な軍事衝突が発生し、領空が封鎖されるといった事態にもなりました。また、日本の報道ではあまり大きく取り上げられていませんが、タイとカンボジアの国境付近でも銃撃戦により兵士が死亡しその後両国間の緊張が高まっています。
加えてアメリカにおける反トランプ政権デモもさることながら世界各地で反政府抗議デモやパレスチナ問題に関連したデモ、少数派の権利を主張するデモなどが警察官等と衝突し、観光客を含む一般人にも影響する事態があちこちで起こっています。こうした事態をある程度想定しておかなければ楽しいハズの旅行先で立ち往生してしまったり、トラブルに巻き込まれ負傷するケースだってありえます。現地の情報を出発前に確認しておくことは旅行を楽しく、有意義なものにするためにも必要なのです。
信頼できる情報収集の第一歩
その一方で、
「そもそも行ったことのない国の信頼できる情報なんてどう集めたらいいの?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そういう方にもおススメなのが日本政府外務省が発表している海外安全ホームページ。日本政府として公式に発表しているものですので、こちらを信頼しない手はありません。また、外交を仕事としている外務省のサイトですので、全世界のどんなマイナーな国であっても、すべてカバーされていることも特長です。(ちなみに日本政府の作成しているページですので原資は皆さんの税金です。税金をまっとうに収めている皆さんが海外に行く際、政府が提供している情報源を活用しないのは「税金の払い損」とも言えるかもしれません)

加えて、このホームページでは新型コロナウイルスやエムポックスといった、感染症に関する注意が必要かどうかの目安も提供してくれています。全世界で注意喚起が出されている地域が一目瞭然になりますので是非活用してみてください。(ただし、地図上白(=レベル設定なし)になっている国でも狂犬病やデング熱、黄熱病等場合によっては命を落としかねない病気が流行しているケースがありますのでご注意下さい。

まずはこのサイトで駐在先、渡航先の状況をあらかた把握した上で、現地での活動や滞在先をご検討いただくことを強くおススメします。ただし、ホームページの弱点として、緊急事態の際の速報性はやや劣ります。また、ホームページのメディア特性として、皆さん自身で情報を確認する、というアクションを取らなければ更新情報が得られません。
まずは『たびレジ』登録から始めてみよう!
その弱点を補ってくれるのが同じく外務省が運営する『たびレジ』です。こちらは東京にある外務省や世界各地の大使館・総領事館等が配信する日本人向けの安全情報提供サービスです。緊急事態の際にはメールで皆さんのお手元に、最新情報を届けてくれますので、情報収集の方法が分からない!という場合にはひとまずこちらをご登録いただければ十分です。
外務省運営『たびレジ』登録リンク
【参考コラム】10分でできる!たびレジ登録ガイド2025~あなたのために、家族のために~
既に具体的な旅程が決まっている方は左側の「本登録」ボタンから、到着日、現地出発日および宿泊先情報等を入力すれば、その期間だけ渡航先の情報がお手元に届くようになります。
また、具体的な旅程は決まっていない場合、
海外渡航を計画中の方、
ご家族・お知り合いが海外渡航されている方、
日本で当該国の事業を担当されている方、
海外進出先をお探しの方、
などは右側の「簡易登録」ボタンから、情報受信を希望される国を選択登録ください。

日本にいながらにして、現地在留中の方向け情報がメールで受信できるようになり、大変便利です。後編では「たびレジ」で受信できる情報の例をご紹介するとともに、「たびレジ」の弱点およびその克服方法も紹介します。
この項終わり