エチオピア治安最新情報(2024年11月)/海外安全.jp


0.エチオピアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在エチオピア日本国大使館   :+251-(0)11-607-1166

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :911

◎警察  :991 (外国人向け英語対応)

◎救急/消防:011-155-5300

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

2021年7月以降、北部を拠点としているティグライ族武装勢力TPLFと政府軍との武力衝突の発生地域が広がっています。2021年10月には本格的な武力衝突戦線が徐々に南下し一時日・米・英・豪すべての国がエチオピアに対するリスクレベルを大きく引き上げました。
その後、2021年12月以降TPLFが拠点となる北部ティグライ州に撤退したことを受け、特に首都アジスアベバ及びその周辺では治安情勢が落ち着きを取り戻しつつあります。各国政府も順次リスクレベルを引き下げる動きも確認されています。
ただし、上記の国内紛争開始前から犯罪や武装勢力による活動への警戒は呼び掛けられており、いずれの国も自国民に対し、立ち入らないよう勧告している地域がエチオピア国内に広がっている点は要注意です。

【海外安全.jpのコメント】

エチオピアは各国とも立ち入りを推奨しない地域が広めに設定されています。特に北部ティグライ州では引き続き反政府武装勢力は活動を継続しています。ティグライ州以外においても旅行や出張を計画する際には、自分が立ち入るエリアが日・米・英・豪各国にとってどのように評価されているかを必ず確認することをおススメします。

首都アジスアベバに比較的近い国土の中央部分、アファール州やアムハラ州、オロミア州西側であっても、警戒無しに旅行した場合、スリや置き引きはもちろん凶悪な強盗や襲撃被害に遭う可能性もあります。現時点でエチオピアは経済状況や周辺国との関係から治安が悪化傾向にあるとされています。

日々治安情勢は変化しており、エチオピアへの渡航前に最新の情報を確認することが、安全確保の第一歩です。

2.日本政府の危険情報

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反政府武装勢力の活動が活発化したことに伴い、2021年11月26日付で全土が「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。」に引き上げられていましたが、状況の変化を踏まえ、随時各地域別に危険情報が更新されています。最新の危険情報は以下の通りです。

反政府武装勢力による活動には引き続き警戒が必要であること、また主要都市部ではスリやひったくり、あるいは強盗犯罪が多く発生しており外国人も被害に遭っていることが明記されています。

「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」が設定されている地域

エリトリア、ソマリア、スーダン、南スーダンとの国境地帯

ティグライ州西部

アムハラ州の一部(ティグライ州との州境地帯)

オロミア州東西ウェレガ地区、ケレム・ウェレガ地区及びホログドゥル・ウェレガ地区、当歳グジ地区

ベニシャングル・グムズ州カマシ地区及びメテケル地区

「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」が設定されている地域

ケニアとの国境地帯

ティグライ州(エリトリア国境、西部地区、アムハラ州との州境、メケレ市、シレ市を除く)

オロミア州イルバボール地区

ガンベラ州(ガンベラ市、南スーダンとの国境地帯を除く)

アファール州キルバティ地区及びティグライ州との州境地帯

ベニシャングル・グムズ州アソサ地区

アムハラ州の上記以外の地域

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」が設定されている地域

アファール州の上記以外の地域

オロミア州ボレナ地区、東西ハラルゲ地区、バレ地区、北シェワ地区、西シェワ地区、東シェワ地区

ガンベラ州ガンベラ市

ティグライ州メケレ市及びシレ市

ソマリ州(ソマリア、ケニアとの国境地帯を除く)

「レベル1:十分注意してください。」が設定されている地域

首都アディスアベバを含む上記以外の地域

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

2022年4月22日の更新に伴い、以下二段階のリスクレベルが設定されています。

  • ティグライ州及びエリトリア国境(武力紛争)
  • アファール州とティグライ州の州境周辺(武力紛争)
  • アムハラ州(武力紛争)
  • ガンベラ州ベニシャングル・グムズ県(凶悪犯罪や誘拐等)
  • ソマリアとの国境地域(テロや誘拐の多発、地雷原)
  • スーダン、南スーダンとの国境地域(誘拐や地元武装集団同士の衝突)
  • ケニアとの国境地域(テロや民族間衝突)
  • オロミア州の一部(暴力や市民騒乱)
  • 南部諸民族州(市民騒擾や民族間衝突)

いずれの地域もテロや武力衝突、住民による騒乱、誘拐等に巻き込まれる可能性が指摘されており、「渡航を中止してください: Do not travel」に指定されています。すなわち上記地域には立ち入らないよう強いトーンの勧告が明記されています。

首都アジスアベバを含む上記を除く全土には「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

アジスアベバの治安は安定しているとの記載がありますが、それ以外の地域では武力衝突やテロの危険性が想定されることから高めのリスクレベルが広い範囲に設定されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

2021年11月イギリス政府はエチオピア全土(首都の国際空港を除く)に対し「渡航を推奨しません:Advise against all travel」を設定しました。その後情勢が落ち着きを取り戻し始めていることを踏まえ、2021年12月13日以降段階的にリスクレベルを引き下げています。

直近2023年7月下旬から北部アムハラ州内で武力衝突が断続的に発生していることを受け、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」の地域が拡大しています。

 

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「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されている地域

ティグライ州のテケゼ川以西、タタイ・アディヤボ県、イロブ県

アムハラ州内のティグライ州との国境10キロ圏内

アムハラ州全域(2023年8月4日、同州内での武装勢力と軍の衝突を受けた対応)

アファール州北部ティグライ州との国境付近

ガンベラ州

オロミア州の西ウォレガ地区、東ウォレガ地区のネケメテ、ケレムウォレガ地区、ホログドルウォレガ地区、西シェワ地区及び北シェワ地区の一部

ベニシャングル・グムズ州のメテケル地区、およびマオコモ地区

ソマリ州の一部

南部州の一部

西側、南スーダンとの国境から10キロ圏内及びスーダンとの国境から20キロ以内

ソマリア及びケニア北東部との国境から100キロ以内

ケニアとの国境から10キロ以内(主要な道路、都市は除く)

エリトリアとの国境から10キロ以内

「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されている地域

ティグライ州のテケゼ川より東側のエリアの内、タタイ・アディヤボ県、イロブ県から5Kmの範囲内

アムハラ州全域

上記を除くソマリ州全域

オロミア州内、アジスアベバハイウェイ付近を除く東グジ地区の、西グジ地区、グジ地区、アジスアベバとチェリヤ間のA4道路間(フィンフィネ特別地域の区間を除く)、北シェワ地区

上記を除くベニシャングルグムズ州

 

首都アジスアベバを含む国土の中央部分は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」にまでレベルが戻されています。ただし、同国内でテロリストがテロを実行あるいは試みようとする可能性が高いとして、特にテロについての注意喚起が目立ちます。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

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最も厳しい「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されている地域は以下の通りです。

・アムハラ州全域

・ベニシャングル・グムズ州全域

・ガンベラ州全域

・アファール州のティグライ州及びアムハラ州両州境から30キロの範囲

・オロミア州東ウォレガ地区、西ウォレガ地区、ケレム・ウォレガ地区、ホロ・グドゥル・ウェレガ地区、北シェワ地区、西シェワ地区、バレ地区、ボレナ地区

・ソマリ州の一部

・スーダン、エリトリア、ケニア、南スーダン、ソマリアとの国境付近

上から2段階目となる「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されている地域は以下の通りです。

・ティグライ州の中央部、東部、南東部、南部で「Do Not Travel」が設定されていない地域

・ソマリ州の一部

・オロミア州の東バレ地区、アルシ地区、西アルシ地区、グジ地区、西ハラレ地区、南西シェワ地区、東シェワ地区、ジンマ地区、ボノベデレ地区、イルバドール地区、フィンファイン特別区

上から3段階目となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されている地域は以下の通りです。

・首都アジスアベバ

・アファール州の大部分

・南西エチオピア諸民族州、南エチオピア、中部エチオピアの大部分

・ハラレ州のハラレ市周辺、ディレ・ダワ自治州

 

国内の部族対立に伴う武力衝突及びテロリストによる襲撃、テロ、そして隣国国境周辺での地雷や武力衝突への注意喚起が明記されています。滞在中は常に現地メディアを確認すること、また治安当局による指示に従うようアドバイスされています。

6.最近の治安ニュース

エチオピア北部軍と武装勢力の衝突(2023年7月)

エチオピア北部飲食店への手りゅう弾投げ込み(2023年4月10日)

エチオピアオロミア地域中国人襲撃事案(2023年1月30日)

エチオピア北部での同時多発爆発事案(2022年6月28日)

エチオピア西部での村落襲撃(2022年6月18日)

エチオピア北部モスクへの襲撃事案(2022年4月26日)

エチオピア首都での爆薬、銃弾押収(2021年11月17日)

エチオピア全土非常事態宣言の発令(2021年11月3日)

エチオピア首都での爆発事案(2020年12月30日)

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