2026年3月以降バングラデシュの首都ダッカを含む全土で麻疹(はしか)の感染が拡大し続けています。特にこの2,3か月で乳幼児の死者数が急増しており、現地ではこれまでに子ども1,000人以上が死亡し、感染者は18万人以上に達しています。
現地保健当局は4月から緊急ワクチン接種活動を展開し、1,800万人の子どもに接種を行いましたが、公式データでは約400万人が接種を受けられておらず、集団免疫の達成には至っていません。保健大臣は議会で、従来ユニセフやGaviワクチンアライアンスを通じて国際的な供給網から直接調達していた麻疹ワクチンの調達方式を国際公開入札制に切り替えたことで、承認手続きの遅れや資金拠出の遅延が生じ、ワクチンが国際倉庫にあるにもかかわらず国内への搬入が滞ったと説明しています。また新型コロナ禍による定期接種の中断や、2024年の政変に伴う接種活動の延期も背景にあるとされています。医療現場ではデング熱の同時流行も重なり、通常50人規模の患者対応能力しかない病院が500人規模の患者を受け入れる事態となるなど、医療システムへの負荷が高まっています。
麻疹は感染力が非常に強く、咳やくしゃみを通じて感染し、発見後には特定の治療法はありません。誰でも感染する可能性がありますが、特に幼い子どもは注意が必要です。現地に滞在中または渡航を予定している方は、特に乳幼児を同行する場合、麻疹・風疹混合ワクチンの接種状況を事前に確認することが推奨されます。人が密集する場所への不要な立ち入りは避け、発熱や発疹などの症状が出た場合は速やかに医療機関を受診してください。外務省の海外安全情報や感染症危険情報を随時確認し、現地の最新状況をSNS等の未確認情報だけに頼らず、公的機関の発表に基づいて判断することが重要です。



