中国治安最新情報(2024年10月)/海外安全.jp


0.中国における日本人向けの緊急連絡先

◎在中華人民共和国日本国大使館(北京)

+86-(0)10-8531-9800 (代表)

+86-(0)10‐6532-5964(邦人援護)

◎在広州日本国総領事館

+86-(0)20-8334-3009 (代表)

+86-(0)20-8334-3090(邦人援護を含む領事担当部署)

◎在上海日本国総領事館

+86-(0)21-5257-4766

◎在重慶日本国総領事館

電話:+86-(0)23‐6373-3585

◎在瀋陽日本国総領事館

+86-(0)24-2322-7490

◎在大連領事事務所

+86-(0)411-8370-4077

◎在青島日本国総領事館

+86-(0)532-8090-0001

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察:110※

◎消防署:119※

◎交通事故:122※

◎救急車:120※(北京は999も利用可)
(※国内共通)

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

各国とも中国におけるテロや一般犯罪に対し、強い注意喚起は行われていません。ただし、日本は新疆ウイグル自治区、チベット自治区に対し、他地域よりも脅威度を高めに設定しています。これは過去にウイグル族やチベット民族による住民暴動や反政府テロが発生していることから、脅威度を高めに評価したものと思われます。

また、アメリカとイギリス政府は中国当局の持つ出国差し止め権限を自国民に周知しています。

日本人にとっては、歴史的経緯から反日感情が盛り上がった際に日本人や日本企業を標的とした抗議活動が行われることがある点にも言及があります。

【海外安全.jpのコメント】

中国では共産党一党支配の中、治安当局が十分に機能しています。中央政府の支配に不満を持つウイグル族やチベット民族がいることは事実ですが、過激なグループは早めに治安当局が拘束・取り調べを行っている様子であり、大規模なテロや襲撃事件を計画・実行することは容易ではありません。

そのため、いずれの政府も治安レベルはそれほど高く設定しておらず、スリや強盗、詐欺のような話に十分注意していれば、危険な目に遭うことはない国と言えます。

ただし、「スパイ対策法」に関連して日本人を含む外国人が恣意的に逮捕されるケースが発生しています。大半の日本人には影響はないと言えますが、政府機関との情報のやり取りや、中国国営企業の情報等に触れる方は慎重な行動をおススメします。

2.日本政府の危険情報

日本政府は過去に発生したウイグル族やチベット民族による住民暴動(反政府活動)への警戒から、新疆ウイグル自治区およびチベット自治区について「レベル1:十分注意してください」の注意喚起を表示しています。


その他全土について、「一般的な注意をしていれば犯罪に巻き込まれる可能性は低い」と記載がありますが、各地によって状況が異なるため、各自で必要な警戒を怠らないよう呼び掛けています。また、特に反日感情が盛り上がった際には日本人や日本企業を標的としたデモや抗議行動に注意するよう呼び掛けています。

具体的に警戒が必要と書いてある日程は以下の5日です。

1)7月7日:盧溝橋事件発生の日

2)8月15日:終戦記念日

3)9月3日:抗日戦争勝利記念日

4)9月18日:満州事変(柳条湖事件)勃発の日

5)12月13日:「南京事件」の日

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

2023年時点では中国、マカオにおいて米国人が恣意的に身柄を拘束される可能性があるとして治安や感染症上の懸念とは無関係に高いレベルのリスク評価が設定されています。

中国本土及びマカオに対し「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

香港に対しては、「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。

日本やイギリス、オーストラリアと比して厳しいトラベルアドバイスを設定していることに加え、米国国務省のホームページでは「中国当局はビジネス上のいさかいなどで捜査が必要な場合等、出国を差し止める権利がある」ことを明記しています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴うトラベルアドバイザリーの変更により現在イギリス政府は地図上でのリスクレベル表示は行われていません。

現状、特段の注意喚起はなされていませんがアメリカ政府同様、なんらかのいさかいがある場合、出国を差し止められる場合がある点注意するように呼び掛けています。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日以降中国全土は「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」に設定されています。
パンデミック以前は新疆ウイグル自治区およびチベット自治区に対して下から3番目の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」を、残る全土について下から2番目の「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」が設定されていました。感染症の影響がリスク評価の対象から外れていますが、ウイグル、チベット自治区以外はパンデミック以前よりも一段階リスクレベルが引き上げられています。
china-aus-level
以下参考情報として新型コロナウイルス拡大前に表示されていたリスクマップを掲載します。この時点では「謎の感染症」が流行していた武漢で高いリスクレベルが設定されていましたが、国土の主要部分は現在よりもリスクレベルは低いと判断されていました。
以下は新型コロナウイルス感染症拡大前の治安情報です。

オーストラリア政府はオーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

新疆ウイグル自治区およびチベット自治区に対して下から3番目の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」を、残る全土について下から2番目の「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」を設定しています。

中国北東部 吉林省での米国人一行刺傷事案(2024年6月10日)

中国南東部貴渓市 小学校への刃物襲撃事案(2024年5月20日)

中国雲南省刃物による病院襲撃事案(2024年5月7日)

中国刃物による幼稚園襲撃事案(2023年7月10日)

中国南西部モスク取り壊しを巡るデモ(2023年5月27日)

中国広州市での車両暴走事案(2023年1月11日)

中国 江西省の幼稚園襲撃事案(2022年8月3日)

上海病院内での刺傷事案(2022年7月9日)

【参考コラム】【事案分析】北京邦人男性拘束を踏まえたリスク管理

 

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