パキスタン北西部総選挙立候補者の射殺事案

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2024年1月31日パキスタン北西部バジョール地区でまもなく投開票となる総選挙に立候補中の候補者本人が何者かに射殺されました。銃撃はバジョール管区の市場内で発生していますが、死亡した本人以外に3人が負傷しており選挙関連の暴力が深刻化しています。

 

今般死亡したのは、無所属で総選挙に出馬していたレーマン・ゼブ・カーン氏でした。前首相イムラン・カーン氏を中心とする野党PTIに近いとされていますが、独立して活動していた政治家でした。銃撃はカーン氏が市場付近で選挙活動を行っている際に発生し、負傷した3名も彼の支持者だったとされています。現地警察及びPTIは本件を死亡したカーン氏を標的とした殺人であると表現しています。現在までに犯人は逮捕されていませんが、パキスタンからアフガニスタンにかけて活動を継続しているISIS関連組織ISIS-Kが犯行声明を発表しています。

29日及び31日には南西部バロチスタン州内で連立与党であるPPP及びPML-Nの選挙事務所等が武装集団に襲撃される事案が発生しています。こちらはバロチスタン解放軍が犯行声明を発表しています。

 

現在パキスタンでは2月8日の総選挙に関連した利害関係を背景として様々な組織・団体が政党や候補者を襲撃している状況です。与党・野党問わず暴力の標的となっており、実際に複数の死傷者が出ている点を踏まえ選挙を前提とした安全対策が必要です。

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