パキスタン北西部市街地での爆発

この記事のURLをコピーする

2023年11月3日パキスタン北西部ハイバル・パフトゥンハー州の中核都市のひとつデラ・イスマイル・カーンの市街地で爆発が発生し、少なくとも5人が死亡、21名が負傷しました。爆発は巡回中の警官隊付近で発生したとのこと

pakistan-dik-blast
商店等が並ぶ市街地の爆発現場(APニュースのウェブサイトよりキャプチャ)

 

警官のパトロールルートである市街地の大通りに止められていたバイクに爆発物が仕掛けられており、警察車両が通過する際を狙って遠隔操作で起爆されたものと想定されています。本事案の直前、10月31日にも同じデラ・イスマイル・カーンで警官が一名武装勢力による襲撃を受けて死亡しており、反パキスタン政府武装勢力による活動が活発化している様子がうかがえます。

また、パキスタンでは同日、南西部バロチスタン州の港湾都市グワダルでもパキスタン軍の車列を標的としたものと思われる襲撃事案が発生し、軍人14名が死亡しています。来年2月の総選挙や不法滞在をしていたアフガニスタン人の強制送還などパキスタンでは治安の流動化につながる要因が複数存在しています。首都イスラマバードや東部の大都市ラホールでは大規模なテロが頻発する事態までは現時点で想定していませんが、アフガニスタン国境に近い地域やバロチスタン州、あるいは人口が過密状態にあるカラチ等では当面の間治安情勢を慎重に判断することが望ましいと考えます。

海外安全メールマガジン登録