「担当部門任せ」はNG

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担当部門任せ、責任押し付けでは機能しない

統計上急速に普及したテレワーク。しかしながら内閣府の調査によれば
 社内の打ち合わせや意思決定の改善
 書類の電子化やペーパーレス化
 社内システムへのアクセス改善
 社外との打ち合わせや交渉の仕方の改善
 社内外の押印文化の見直し
といった課題があるとの声も多く上がっていたそうです。
インターネットがあり、携帯電話があり、自宅にパソコンがあればテレワークなんとなくできそう、という印象があったかもしれませんが、やってみるとそうではなかった、という方も多いのかもしれません。
 また、企業や団体組織のIT担当者の方からは普段とは違うサイバーセキュリティ対策や通信容量増加に急遽対応して乗り切った、という話を、人事部など労務管理に対応されている方からは給料や各種手当、海外勤務から一時帰国した方への個別対応なども発生していると伺っています。他にも育児や介護の事情を抱えている方は自宅にいるが故の育児や介護との両立、集中力の維持が難しいという意見もありそうですね。
 全員ではないにせよ、おそらくはあちこちで
 「思っていたのと違う」
という感想が飛び交っているのではないでしょうか。
経営層が新型コロナウイルス感染症対策として
 「テレワークに切り替えよう」
というのは簡単です。総務部や人事部、IT部門などに指示を出して丸投げすれば経営層としてはやることはやった、と言えるのかもしれません。しかしながら、指示を受けた側は急な変化対応でてんやわんや、人との距離が近い会議が増えたり、事業担当部門からの苦情が集まったり、あるいは個別の事情を抱えた社員からの特殊な相談を受けたり、と運用が軌道に乗るまでには乗り越えなければならない壁はたくさんあるはずです。
confusion-and-troubles
指示だけが下りてくると現場は試行錯誤と混乱状態に

 

多くの方が頭ではわかっていると思いますが、経営層が指示したからといってすぐに現場が対応できるわけではありません。また、現場でも望ましい働き方を実現するためにはある程度試行錯誤を繰り返し最適な運用を探っていかなければなりません。必要であれば企業・団体の働き方ルール、雇用条件、評価制度、人事異動の仕組みなどまで大掛かりに変える必要が出てきてもおかしくないのです。

 

企業の・団体の事業継続に関わるテーマについては

 

担当部門に指示は出したし、後は任せておけば大丈夫だろう

 

というスタンスでは絶対にうまくいかないのではないでしょうか。テレワーク問題は、会社の方針転換にあたり、経営者の覚悟と方針決め、そして各種の課題解決まで自身の問題として取り組まなければいけない、ということを示唆しているように思います。

 

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