企業・団体ごとに適切なセキュリティコンサルタント会社は違う
さて、海外での活動に際し、セキュリティコンサルタントや警備会社の活用をおススメしました。ではどの会社がいいでしょうか?と言われるとその答えは一つではありません。世界的に大手と呼ばれる会社はいくつか存在しますが、大手だからいい、というわけでもないのです。セキュリティ関係の会社には必ず得手不得手があり、どの企業・団体にもおススメできる会社はありません。
それはなぜでしょうか?
例えば皆さんが企業経営者だとして、主要な取引銀行はどうやって選ぶでしょうか?
知名度や銀行の体力、あるいはATMの数等で言えば「メガバンク」と呼ばれる銀行が圧倒的な存在感を有しています。しかしながらそういった銀行の場合、小さな会社をそもそも融資対象とは見ていないケースもあります。反対に資金量や金利の低さには限界がありますが地方銀行や信用金庫等、きめ細やかなサービスが受けられる場合もあるでしょう。個人事業主やごく少数で起業したばかりの会社であれば、インターネット専業での銀行に口座を開設し、銀行手続きの大部分をオンラインで行うほうが適している可能性もあります。銀行に行っている時間がない、また取引先への振り込み手数料が大手銀行に比べて安いというメリットが享受できますね。
例えば皆さんの体にどこか不調があるとき、どんな病院に行くでしょうか?皮膚にトラブルがある時に心臓・循環器科を専門とするお医者さんにかかろうとは思わないはずですよね。歯にトラブルがあるなら総合病院に行くのではなく、歯医者さんに駆け込むはず。一口にお医者さん、あるいは医療の専門家といっても、実際にはその中でも専門分野が細分化されていることを知っているからです。
取引銀行の選び方について触れた経営の参考書は世の中にあまた存在します。また、症状によってお医者さんや病院を選ばなければいけないことは小さいころからの経験でよくわかっているはず。しかしながら、海外で活動する企業・団体にとって適切なセキュリティコンサルタントや警備会社を選ばなければいけない、と説明してくれる本や先達はごく限られています。よくわからないからと言って、とりあえず大手に、名前を聞いたことのある会社に、元警察官や自衛隊出身者がいる会社に、という選択は安易にすぎるでしょう。
各企業・団体の海外での事業活動は様々であり、活動している国や地域も違えば、現地で活動する人数も幅があります。関係者の守り方、施設や資産の守り方には複数の選択肢があり、クライアントである企業・団体が安全対策に割ける予算も踏まえて総合的に検討を進めていかなければならないことです。自分たちの事情にあった銀行やお医者さんを選ぶように、企業・団体がそれぞれの事業規模や活動内容によって適切なセキュリティコンサルタントや警備会社を選ばなければいけないのは間違いありません。
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