緊急事態の対応記録は教訓の宝庫
新型コロナウイルス(nCoV19)の対応で日本中が大わらわです。各地のイベント中止や大規模テーマパークの営業休止など影響が出始めています。また、明日2日からは全国の多くの小学校、中学校、高校がお休みになるというまさに日本全体での対応が始まります。報道によれば、各地で様々な日用品、飲食料品の買いだめ行為も相次いでいる様子。まさに「緊急事態」という状況になっているように思います。
当サイトでは今年1月5日に新型コロナウイルス関連のニュースを取り上げており、累次情報提供を行ってきました。ここまでの大騒ぎになるとは当サイト関係者ですら想像だにしていませんでしたが、予兆は約2か月前からあったと言えますね。
【香港】
(参考情報)#香港 当局は中国 #武漢 から流入したと思われる肺炎に似た謎の感染症(wuhan flu)の対策を強化した旨発表しました
これまでに少なくとも15名が発症し、治療を受けていると報じられています#中国 本土でも対策が講じられていますhttps://t.co/R0rgyIbqB9— 海外安全.jp (@kaigaianzenjp) January 5, 2020
さて、今回の感染症対応には様々な意見をお持ちの方がたくさんおられると思います。ただし、文字通り「新型」であり医学的、科学的に明確な事実関係がわからない中での対応なのですから手探りになることはやむを得ないと思います。現時点で各種の対応の是非を議論するのは時期尚早ではないでしょうか?
原因や対処法が全く異なりますが、大規模なテロに遭遇した時にどう対処するか、も似たところがあります。今、正確に何が起こっているのか?、次何が起こるのか?など把握できない中で対応を決めなければなりません。そして、対応が遅れれば遅れるほど、より取り返しのつかない事態を招く可能性も出てくるのです。
テロや襲撃の事態が進行中の時に、少し前の対応が良かった、悪かったを議論していては救える命も救えなくなります。現在進行形の緊急事態の場合はなによりも状況把握、関係者の保護と救出、そして支援体制の強化・継続に努めることが大切です。
一連の事態が収束した後、初めて
入手した情報は実態をどの程度正確に捉えていたのか、
状況把握が間違っていたとすれば何が悪かったのか、
一つ一つの判断が正しかったのか、間違っていたのか、
各関係者の行動が意図したとおりに行われていたか、
今後類似の事態が発生した際に備えるべきことはなにか、
といった反省・教訓化を行うことができるのではないでしょうか?こうした反省・教訓化を行うためには、緊急事態が発生した際の状況及び自社・関係者の対応の記録は必要不可欠なものだということがわかるのではないでしょうか。その記録には反省や将来への教訓がすべて込められていると言っても過言ではありません。
【次ページでは・・・緊急事態の記録を取ることは案外難しいことをご説明します】