ジョージア治安最新情報(2024年2月)/海外安全.jp


0.ジョージアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ジョージア日本国大使館 :+995-32-275-2111

◎警察/消防/救急  :112(非常時共通)

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

・新型コロナウイルス感染症の関連情報は頻繁に変化しますので最新情報をご自身で確認いただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

ジョージアに対しては、各国政府とも南オセチア地域、アブハジア地域への立ち入りをやめるよう忠告しており、その他の大部分の地域は安全度が高いと評価しています。オーストラリア政府のみ、1990年代のチェチェンゲリラ拠点であったパンキシ渓谷周辺に他国よりも厳しい治安評価を行っています。

ロシアとジョージアの軍事的衝突の影響による地雷や不発弾の残る南オセチア地域、アブハジア地域では、いずれの国も適切な自国民保護はできないと明記しています。また、ジョージアの国内法上、許可のない両地域への立ち入りは処罰の対象であると記載されています。

両地域を除けば、首都トビリシ市を含め大部分でリスクはそれほど高く評価されていません。英語圏各国のトラベルアドバイスのみならず、日本政府の危険情報でも強い注意喚起は記載されていません。最低限の注意を払うことで、安全に旅行できる国の一つであると評価されています。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、ジョージアの治安リスク認識は共通していると言えます。
ロシアとの軍事的紛争の影響が残る南オセチア、アブハジア地域への渡航はまったくおススメできません。他方で、その他地域では治安当局の統制が十分に機能しており、政府への不満もそれほど高くありません。
単独もしくは数人の実行犯による小規模な攻撃等、テロに分類できる事件も完全に否定できるものではありませんが、大規模なテロの標的としてあえてジョージアを狙う理由は見当たりません。  オーストラリア政府のアドバイスにあるように「常識的な行動をとる」ことができれば不必要なトラブルは回避できます。

2.日本政府の危険情報


日本政府外務省は2018年5月10日付でジョージアの危険情報を一部引き下げています。
南オセチアやアブハジア自治区で発生していた武力衝突の鎮静化及びロシアとの緊張関係がやや緩んでいることを踏まえ、ロシア国境地域周辺は「レベル2:不要不急の渡航はやめてください」となりました。

「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域
南オセチア(ツヒンヴァリ地域)及びその周辺地域、アブハジア自治共和国及びその周辺地域

「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されている地域
ロシアとの国境周辺地域

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域
首都トビリシ市を含む、上記以外の全域

南オセチア及びアブハジア地域では2008年ロシアとジョージアによる直接的な軍事紛争が発生して以降、地雷や不発弾が残されているとされており、この点で渡航を止めることを呼び掛けています。ジョージア政府は、両地域に立ち入る際は政府の許可を経る必要があるとしており、ロシアからの両地域への立ち入りはジョージア国内法による処罰の対象であることも明記されています。

両地域及びロシアとの国境付近を除くと、大部分の地域は一般的な注意喚起に留まっています。以前に比して治安情勢が改善しているとの記載もありますが、「過去の安全の手引き(pdf)」には2014年~2017年にかけてジョージア国内で日本人が犯罪被害に遭った事例が複数掲載されており、夜間ひと気のない場所を一人で歩かないといった最低限の注意を呼び掛けています。最新の「安全の手引き(pdf)」と併せてご覧頂くことが可能です。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ一時全土に「渡航を中止してください: Do not travel」のリスクレベルが設定されていましたが、2022年4月19日付で新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに戻されています。地雷や民衆暴動の危険性があると評価されている一部地域を除けば注意喚起は解除されている状態です。


南オセチア地域

アブハジア地域

地雷や民衆暴動の可能性があるため、最も警戒レベルの高い「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。この地域ではロシアによる実効支配が続いており、アメリカ国民に対し、適切な救援等が行えない可能性が記載されています。


上記以外の全土に対し「一般的な注意を払ってください:Exercise normal precaution」が設定されています。この地域では特段強い注意喚起はありません。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、一時全土に「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」以上のリスクレベルが設定されていました。現在は国土の大部分が「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」に戻されており、感染症拡大前に、治安リスクを基準として設定されたトラベルアドバイザリー通りとなっています。

南オセチア及びアブハジア地域に対し、「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。
また両行政地域との境界線に対し、「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されています。
首都トビリシを含むそれ以外の地域については「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」が設定されています。

南オセチア及びアブハジア地域周辺では過去の紛争に伴う地雷等爆発物が留置されている可能性が指摘されています。また、ロシアによる実効支配が行われている両地域では適切なサービスを提供できない旨明記されています。

首都トビリシ市を含む大部分では強い注意喚起はありません。犯罪発生率は(イギリスの感覚で)低いとされており、政治情勢も一般的に穏やかである旨記載があります。旅行者が多い場所で、持ち物に気を付ける、周囲に異変がないか観察するといった基本的な注意を呼び掛けています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日、2022年9月21日と段階的に国土の大半でリスクレベルが引き下げられ、現在は主要部分が「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」に設定されています。
georgia-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

南オセチア地域及びアブハジア地域に対しては最も警戒レベルの高い「渡航を取りやめてください:Do not travel」が設定されています。
その他の地域は「一般的な注意を払ってください:Exercise normal safety precautions」が設定されています。

オーストラリア政府としてロシア実効支配地域や過去の紛争地域への警戒を呼び掛けています。他方で、首都トビリシ市を含む一般的な観光地があるエリアは、リスクは高くないと評価しています。このため大部分の地域について特段の注意喚起はありません。ただし、常識に従って、不審な動きをする人物や不審物があれば警戒するように呼び掛けています。

6.最近の治安ニュース

ジョージア国内空港等への爆破予告多発(2024年1月20日)

ジョージア首都での暴力を伴う抗議デモ(2023年3月7日)

ジョージア首都での立てこもり事案(2020年11月20日)

2019年6月20日以降、反ロシアを訴える市民団体の大規模なデモ活動が国会議事堂周辺で発生しました。その後も断続的にデモ活動が予告されており、ルスタベリ通り周辺への接近はおススメできません

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