2024年4月29日現地夜、アフガニスタン西部ヘラート州アンディシェでイスラム教シーア派のモスクに武装勢力が押し入り銃を乱射しました。少なくとも6人のシーア派住民が死亡しています。ISISに関連するグループが事件後に犯行声明を発表し、タリバン政権傘下の警察が事件を捜査しています。
アフガニスタンの中でもイランに近い西部ヘラート州ではシーア派を信奉する住民が多い地域です。ISISは欧米諸国やキリスト教徒を標的としたテロに加え同じイスラム教でも教義が異なるシーア派住民も繰り返しテロの標的としてきました。現在アフガニスタンはタリバンが事実上全土を掌握していますが、ISISによるテロが散発している状況です。タリバン勢力はイスラム教とアフガニスタンの各部族による伝統的価値観が合わさった各地の暮らし方を尊重する姿勢を見せているのに対し、ISIS及びその関連組織は自らが信奉するイスラム教の教義/解釈以外を認めないという立場のため、アフガニスタンでもテロが発生するという基本的な構図があります。