パラグアイ治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.パラグアイにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在パラグアイ日本国大使館  :+595-(0)21-604616

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :911

◎救急  :141

◎消防  :131、132

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

パラグアイに対しては、各国政府の色分けが異なりますが、リスクの判断は類似しています。テロや襲撃のリスクはそれほど高くはなく、ブラジルとの国境地域等ごく一部で麻薬組織による組織犯罪が活動しているといった記載があるのみです。
他方で、一般犯罪はいずれの政府も警戒が必要であると注意喚起しています。日本政府は地図上かなり細かく犯罪リスクに基づく危険情報の色分けをしています。アメリカ政府は5つの県(アマンバイ県、アルトプラナ県、カニンデジュ県、サンペドロ県、コンセプシオン県)に対し、リスクレベルを一つ上げています。日本政府ほど細かい設定ではありませんが、日本政府が危険情報を引き上げている地域とほぼ重複しています。
イギリスおよびオーストラリア政府は全土を同一に扱っており、ひったくりやスリに気を付けるよう注意喚起がなされています。

【海外安全.jpのコメント】

パラグアイにおける警戒ポイントは第一に一般犯罪です。南米諸国の中では政治的に比較的安定しているものの、経済的に成熟しているとは言えない状況であり、犯罪が多く発生している点に十分ご注意ください。

特に首都アスンシオン、「イグアスの滝」観光時の拠点となるシウダ・デル・エステ、観光客が多いことに伴いスリも多いコンセプシオンといった大都市では特にご注意ください。具体的には現金やキャッシュカード、クレジットカード等を見られるように取り出さない、高価な時計や装飾品を着けない、スマートフォンやタブレット等を操作しながら歩かない、といった工夫をおススメします。

 

一般犯罪に気を付け、貴重品の管理を徹底すれば、たいていの場合観光や駐在を楽しめる国だと言えます。

2.日本政府の危険情報

「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

コンセプシオン県ウブ・ジャウ市と隣接するアマンバイ県内の県境付近

コンセプシオン県の一部

サン・ペドロ県の一部

アマンバイ県カピタン・バド市

アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

アスンシオン市及び周辺

アマンバイ県ベジャ・ビスタ・ノルテ市

ペドロ・ファン・カバジェロ市

カニンデジュ県サルト・デル・グアイラ市

アルト・パラナ県シウダ・デル・エステ市

イタプア県エンカルナシオン市

上記を除く地域には危険情報が設定されていません。

 

パラグアイ警察による犯罪統計を踏まえ、日本と比べて極めて高い犯罪発生率に注意が必要である旨明記されています。また、首都アスンシオンを含め、複数の大都市やブラジル国境地域では特に犯罪発生率が高いことから、夜間の一人歩きを避ける、日中でも近寄ってはいけない地域が指定されるなど、かなり詳細な注意喚起がなされています。

 

大規模なテロや襲撃は発生しておらず、日本人の被害もない旨記載されていますが、コンセプシオン県、サン・ペドロ県及びアマンバイ県の県境にまたがる地域で「パラグアイ人民軍(EPP)」を名乗る組織等が外国人を含む一般人を襲撃したり、身代金目的の誘拐(時に殺害)を行ったりしていることが記載されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

アマンバイ県

アルトプラナ県

カニンデジュ県

サンペドロ県

コンセプシオン県

上記を除く全土

アマンバイ県、アルトプラナ県、カニンデジュ県、コンセプシオン県については犯罪の発生率が高いことを踏まえ、「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。それ以外の地域は首都アスンシオンを含め、特段の注意喚起がなく、「一般的な注意を払ってください:Exercise normal precaution」の対象です。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時全土に対し「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されていましたが、現在はパンデミック拡大前と同じレベルに引き下げられています。

 

感染症を除き特段強い注意喚起はありませんが、スリやひったくりは頻繁に発生していることが明記されていました。現金やキャッシュカードなどは他人に見えないようにすること、公共交通機関ではなくタクシーを使うことなどがアドバイスとして記載されています。

特に犯罪被害の多いアスンシオン、ペドロ・ファン・カバジェロ、シウダ・デル・エステでは夜間の一人歩きを避けるよう明記されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付でパラグアイは「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。

paraguay-aus-level

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

パラグアイ全土に対し、5段階中3番目となる「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

いずれの地域でも犯罪被害が多く発生していることを背景に、現地の最新情報に注意し、常に自分の周囲に不審な動きがないか、安全第一で行動するようアドバイスされています。

6.最近の治安ニュース

パラグアイにおけるデング熱の流行拡大(2023年12月)

パラグアイ日本人の銃殺遺体発見(2023年3月7日)

パラグアイ感染症対策への抗議デモ(2021年3月)

パラグアイデング熱による非常事態宣言(2020年2月18日)

2019年9月11日首都アスンシオン市内で、刑務所から移送されていた囚人を乗せた警察車両が武装グループによって襲撃され、囚人が逃亡しました。警官以外の死傷者は報じられていませんが、武装グループが逃走中である点注意が必要です。

パラグアイ首都での囚人移送者襲撃

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