ロシア治安最新情報(2024年8月)/海外安全.jp


0.ロシアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在ロシア日本国大使館     :+7-495‐229-2550

◎在ウラジオストク総領事館   :+7-423-226-7481

◎在サンクトペテルブルグ総領事館:+7-812-314-1434

◎在ハバロフスク総領事館    :+7-4212-413-044

◎在ユジノサハリンスク総領事館 :+7-4242-72-60-55

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :102

◎救急  :103

◎消防  :101

(携帯電話からは112に電話をすると非常用窓口につながります)

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

2022年1月下旬以降、ロシアとウクライナの間で軍事的緊張が高まり2月24日にはロシア軍がウクライナ国内に侵攻する事態に至っています。これを踏まえ2月下旬から日・米・英・豪すべての国が自国民に対しロシアへの渡航を控えること、また現地滞在中の自国民に対し商用便が運航している間に現地を離れるよう呼びかけています。加えて、ロシアとウクライナはもちろんのことベラルーシやモルドバ等周辺国への渡航に対しても各国から必要性を検討せよといった注意喚起がなされています。

 

軍事的緊張が高まる以前からロシアに対して、特に米、英、豪各国は治安情勢以上に政治的背景も踏まえ、トラベルアドバイザリーが高めに設定されていました。各国ともウクライナとの国境付近や北コーカサス地方への立ち入りは控えるよう呼び掛けています。それ以外の地域でも欧米とロシアとの対立を背景としたいやがらせなどがあり得ることが明記されています。
日本政府はいやがらせ等の記載はありませんが、過去にモスクワやサンクトペテルブルグでテロが発生していること、またISISがロシアをテロの標的とするよう公言したビデオが流れたことなども背景として、テロへの警戒を怠らないよう明記されています。

【海外安全.jpのコメント】

各国政府とも、ロシア国内には立ち入りを推奨しない地域が含まれており、これら地域では現地武装勢力やウクライナ軍との武力紛争に巻き込まれる可能性が否定できません。当サイトでもこれら地域への立ち入りは強く反対します。

【参考】(ウクライナ治安最新情報)

2022年2月下旬以降、ウクライナへの軍事侵攻が続いています。ロシア国内、特に首都モスクワやサンクトペテルブルグ等主要都市付近での大規模な軍事衝突は想定されておらず、万が一軍事的衝突が発生しても影響は最小限と言えますが、情勢が急変する可能性は否定できません。日本人の場合は「たびレジ」を通じた登録を強く推奨します。

また、ロシア国内で散発的に行われている反戦デモに対しては治安当局が強制的な解散や参加者の逮捕といった強硬的な手段を講じています。滞在中の方がロシアによる武力行使に反対される場合でも不用意な逮捕等を避けるという意味では抗議集会への参加は推奨しません。

2023年5月からは、ロシア国内の反政府グループやウクライナ系住民らによるロシア国内での破壊行為なども相次いでいます。加えてウクライナ軍によるロシア領内への砲撃等も多数報告されています。特に激戦地となっているウクライナ東部に隣接するロシア領内ベルゴロド州、ブリャンスク州、クルスク州、ヴォロネジ州で被害が発生しており、この地域への接近はおススメしません。

2.日本政府の危険情報

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「レベル4:退避してください。渡航は止めてください」が設定されている地域

ウクライナとの国境付近

「レベル3:渡航は止めてください」が設定されている地域
チェチェン、イングーシ、ダゲスタン、北オセチア・アラニア、カバルダ・バルカルの各共和国、スタヴロポリ地方及びカラチャイ・チェルケス共和国

首都モスクワやサンクトペテルブルグを含む上記を除く全土(←2022年3月6日付で引き上げ)

 

2022年1月、ウクライナとの軍事的緊張が高まっているとして日本政府外務省はロシア国内に滞在する日本人に対し、ウクライナとの国境付近に近寄らないよう注意喚起を発しました。2月18日にはウクライナ国境の危険情報を「レベル3:渡航を止めてください」に引き上げています。その後3月3日付で同地域が「レベル4:退避してください、渡航を止めてください」にさらに引き上げました。さらに、3月7日付で首都モスクワや大都市サンクトペテルブルグ含めロシアの大部分も「レベル3:渡航を止めてください」に引き上げられています。

 

以下はウクライナとの軍事的緊張が高まる前のテロや犯罪に対する日本政府のアドバイスです。

レベル3が設定されている地域では、反政府武装勢力による攻撃や自爆テロが多数発生しており、民間人にも多くの被害者が出ている旨明記されています。特にチェチェン、イングーシ、ダゲスタン、北オセチア・アラニア、カバルダ・バルカルの各共和国に対しては、既に同地域に滞在されている日本人の方に対し、退避手段等につきあらかじめ検討するよう依頼されています。

それ以外の地域でも過去にモスクワの国際空港やサンクトペテルブルグの地下鉄駅などでテロが発生しています。加えて、国際的にテロを実行しているISISが、北コーカサス地方を同組織の行政地区とすると一方的に宣言しており、2015年ロシアによるシリアへの空爆開始後はロシアを攻撃対象にする旨の声明を重ねて公表していること、また、2016年3月6日には、ISISコーカサス州支部が、ロシア国内でのテロを呼びかけるビデオ声明を公表したと記載しています。さらに、ロシア国内でテロを計画していたとして逮捕された者もいることから、今後ともテロへの警戒が必要であると注意喚起されています。

 

テロに比して一般犯罪の注意喚起はそれほど強いトーンではありません。ただし、ロシアではパスポートの携帯義務があることから紛失しないよう気を付けながら携行するよう指示されています。

なお、在ロシア日本国大使館では、現地警官が日本人に不当な金銭要求を行う事例が散見されることから、特別な案内ページを作成しています。こちらのリンク先のフォーマットを活用すれば、不良警官は退散するはずである、との意図に基づき公開されています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

現時点ではウクライナとの軍事的衝突の影響を踏まえ全土が「渡航を中止してください: Do not travel」となっています。ウクライナを支援しているアメリカ政府に対する嫌がらせとして理由が不明瞭なまま身柄を拘束されたり、ロシア国内で自由な移動ができなくなる(緊急時の避難が困難になる)といった理由が列挙されており、最高レベルの警戒態勢を維持するよう呼び掛けられています。
新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルは以下の通りでした。


チェチェン共和国を含む北コーカサス地方

クリミア地方

上記を除く全土

 

チェチェン共和国を含む北コーカサス地方については市民騒擾や武力紛争のリスクがあることから、またロシアが事実上占領しているクリミア地方に「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。

それ以外の地域は治安上の理由というよりもアメリカ人に対するいやがらせを主たる理由として、またテロの恐れも排除できないことから「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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ロシアとウクライナによる国家間紛争及びその影響を受けた商用航空便の現象、現地での経済活動の混乱を踏まえイギリス政府は2月28日付でロシア全土に対し「渡航を推奨しません:Advise against all travel」を設定しました。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付でロシアの大部分は「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」にリスクレベルが引き下げられました。
ただし、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、3月にはロシア全体が「渡航を取りやめてください:Do not travel」に再指定されました。
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以下は新型コロナウイルス感染症拡大前、ウクライナとの軍事衝突発生前の治安情報です。

オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

ロシアでは北コーカサス地方全域に対し、最高レベルの警戒を示す「渡航を取りやめてください:Do not travel」、ウクライナ(ドネツク州、ルハンスク州、ハルキウ州)との国境付近に二番目の警戒レベルを示す「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。

それ以外の地域には5段階の真ん中である「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。これら地域でもテロと犯罪には十分注意が必要であると評価されており、注意を呼び掛けています。

6.最近の治安ニュース

ロシア首都郊外へのドローン攻撃(2024年8月21日)

ロシア国内在ウラジオストク韓国総領事館への攻撃警戒(2024年5月2日)

ロシア北西部へのドローン攻撃(2024年1月18日)

ロシア首都連日のドローン攻撃(2023年8月)

ロシア首都中心部ビルへのドローン攻撃(2023年7月30日)

ロシア国内民間武装組織の動き(2023年6月24日)

ロシア中部ペルミ大学内での銃撃事案(2021年9月20日)

ロシア野党指導者拘留への抗議デモ(2021年4月)

ロシア北カフカス地域警察署への自爆テロ(2020年12月11日)

ロシア白人至上主義グループのテロ組織指定(2020年4月6日)

 

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