『テロ対策特殊装備展』参加報告

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ラスベガス銃乱射事案の教訓

 

今回参加して学ぶところが最も大きかったのは、2017年10月1日に発生したラスベガスコンサート会場での銃乱射事件に関する特別セミナーでした。

 

過去、様々なテロや襲撃、犯罪、交通事故等に対応してきた尾崎ですが、やはり危機的状況を実際に体験した方の話ほど説得力に満ち、教訓に富んだ話はありません。危機的状況はいつ、どこで、どのように起こるかわからないため、自分が望んで対応できるものではないのです(望んで対応したいと思っている安全管理担当者は尾崎も含めいません)。その分、似たような仕事をしている人で、自分が経験したことのない危機的状況を経験した方の話はいつの日か自分が対応する日のために学んでおくべき情報の宝庫なのです。

 

今回の講演の要点を簡単に整理します。

事件の概要

事件発生日時:2017年10月1日(講演のちょうど二年前)

事件現場:ラスベガスビレッジで行われていた野外コンサート

被害規模:死者59名、負傷者546名(インターネット上では850名との記載も)

銃撃場所:「マンダレイベイ」ホテルの32階スイートルーム

犯行方法:少なくとも24の銃で合計1000発以上を発射

2017年10月1日の銃乱射事件を報じるニューズウィーク誌ウェブサイトよりキャプチャ

 

事件の教訓

・数百名が被害に遭った「想定外」の規模の事件だったので、緊急電話(911)が相当混雑した

・被害者が散り散りに逃げたので、消防や医療関係者の対応範囲が極端に広がった

・警察、消防、医療、地元コミュニティといった様々な関係機関が日常的にコミュニケーションをとる必要性が浮き彫りになった

・被害者がスマートフォンで「近くの病院は?」と検索して表示される病院は必ずしも救急外科外来の機能があるとは限らない

・これほどの規模の有事に備えるのは大げさかもしれないが「最悪の日」に備えなければ将来いずれつけを払うことになる

 

【次ページでは・・・展示されていた製品群のごく一部をご紹介します】