緊急事態が発生したらまず記録係を
緊急事態が発生したらその事態の推移、そしてまた自分たちの対応ぶりを記録を残すことは必須です。しかしながら、頭では記録を取ることの重要性を認識していても、実際に記録を丁寧に残すことは難しいのです。
その困難さを克服し、危機的な緊急事態対応経験を次に生かすことができれば、組織としての安全対策能力は圧倒的に向上します。そのために代表の尾崎が契約いただいているお客様などにお伝えしている内容の一つが緊急事態発生時の記録の残し方のコツ。今回はいい機会なので特別にそのサワリだけ当サイトで公開させていただきます。(有料でのコンサルティングをご希望の企業安全対策/危機管理ご担当者はこちらからお問合せ下さい)
緊急事態の記録というテーマで尾崎がお客様にお伝えしているのは主に二点。
一つは緊急事態が発生したらまず記録だけを担当する人を指名するということ。
もう一つは記録のフォーマットを事前に定めておくこと。例えば次の画像はごくごく基本的な記録のフォームとしてご紹介しているものです。
既にご説明した通り、緊急事態の対応中は誰もが手一杯になります。そのため、個人個人の記録付けに任せていると後から反省・教訓化するための正確な記録は得られないことが多いのです。ですので、尾崎はクライアント様の経営者層に対して、「緊急事態が発生したら陣頭指揮を任せられる人を一名、記録に専念できる人を最低2名確保してください」とご説明しています。
「あなたは今回の緊急事態対応の記録をつけなさい」と指名された方は次々に発生する緊急対応に基本的には参加しません。経営者層から指名され、陣頭指揮担当者やその他上司・同僚にもそのことを周知するのです。指名された記録係はとにかく記録をつけること、そして必要に応じて経営層や陣頭指揮担当者に記録を共有する役割に専念させることをおススメしています。こうすれば記録を詳細かつかなり正確に残せるのです。
「この詳細かつかなり正確な記録」を組織としてしっかり残せる組織こそ危機管理に強い組織と言えることがお分かりいただけるのではないでしょうか。今回の新型コロナウイルス対応でも日本政府内には間違いなく記録係がいるはずです。
無料のこのコラムで公開できるノウハウはここまでですが、より実践的かつ具体的な緊急事態対応中の記録作成方法について知りたい、というご希望があればこちらからお問合せ下さい。
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