インドネシア治安最新情報(2024年11月)/海外安全.jp


0.インドネシアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在インドネシア日本国大使館  :+62-(0)21-3192-4308

◎在メダン日本国総領事館    :+62-(0)61-457-5193

◎在スラバヤ日本国総領事館   :+62-(0)31-5030008

◎在デンパサール日本国総領事館 :+62-(0)361-227628(バリ島の担当)

◎在マカッサル日本国領事事務所 :+62-(0)411-871030

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察    :110

◎救急    :119(ジャカルタ)、118(メダン、スラバヤ)

◎消防    :113  

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

海外安全.jp代表
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1.総論

インドネシアについて、日本、アメリカ、オーストラリアの三か国は似たような危険度であると評価しています。分離独立を目指す勢力の活動など市民騒擾の恐れがあるスラウェシ島、パプア州の一部に対し、他地域よりも高めのリスクレベルが設定されています。

その他の地域では、特に警察や宗教施設等を狙ったテロのリスクが存在していることがどの国も共通認識となっており、明確な注意喚起が記載されています。

加えて、特に日本政府外務省は銃器を用いた強盗や強引なかっぱらいなどが発生しており、日本人も多く被害に遭っている旨記載しています。日本と違い、犯人が銃器を所持している場合、金品を奪い返そうとすると命をリスクにさらすことになるため、強盗被害に遭った場合は命を最優先に無抵抗に徹することが望ましい旨記載があります。

イギリス政府のみ、自然災害特に火山の噴火リスクに応じたリスクレベル設定をしており、シナブン山、アグン山の周囲には近づかないよう警告しています。地震や津波、火山の噴火にも注意を払うべきである、というアドバイスはいずれの政府も共通して記載されています。

【海外安全.jpのコメント】

インドネシアに対するリスク評価は各国間で多少差はありますが、スラウェシ島中央部~北部、パプア州での襲撃リスク、アグン山等直近で噴火活動が発生した地域、地震や津波の被害から復興途上にある地域での災害リスクを踏まえこれら地域への立ち入りを控えるべきである、との見解が総論的な記載となっています。

首都ジャカルタやバリ島等、観光客が大勢訪れる地域については、テロリスクがぬぐい切れない点、各国政府共通して記載されており、身の回りの不審物、不審人物に十分注意が必要です。特に最近標的となったのは警察機関、宗教施設であり、こうした施設にはできる限り近づかないことをおススメします。

日本人の皆様にとっては、銃を用いた強盗が日常的ではないため、こちらも十分に警戒が必要です。裕福に見える格好をしない、人前で財布や貴重品(スマートフォン、タブレット等)を出さない、鞄等は自分の目の届く範囲で管理する、といった必要な注意事項を守ることをおススメします。

2.日本政府の危険情報

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「レベル2:不要不急の渡航を止めてください」が設定されている地域

中部パプア州、山岳パプア州

「レベル1:十分注意してください」が設定されている地域

上記を除く全土  

分離独立や州の分割問題を抱える中部パプア州、山岳パプア州で治安が不安定な状況が続いており、他の地域よりも一段高いレベルの危険情報が発表されています。両州では武装集団による治安維持組織への攻撃が断続的に発生しています。

首都ジャカルタや日本からの観光客が大勢訪れるジャワ島などは「レベル1:十分注意してください」に設定されています。ただし、最近インドネシア国内では警察機関や宗教施設等を狙ったテロ事件が続いていることが明記されています。

過去に大規模なテロを実行してきているJI(ジュマ・イスラミーヤ)のみならず、最近では「ISILインドネシア」を名乗るグループによるテロ事案が発生していること、今後もテロの発生が否定できないことが記載されています。

テロに加えて強盗や一般犯罪も多く発生していることが記載されています。特に最近では、市内で安価に銃器を購入出来ることから、銃器等を使用した凶悪犯罪も増えていることが説明されています。

加えて、麻薬関係の違反者は外国人であっても厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されることも説明されています。

「外国人旅行者だから少しぐらい・・・」といった考えは絶対に通用しません。

とも記載されており、強く注意喚起を呼び掛けています。

【参考コラム】麻薬の運び屋役を直前で回避した事例(タイ)

海外安全セミナー

3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

2023年7月にはパプア州中央部および高地パプア地域に対して、市民騒擾の恐れが高まっているとしてリスクレベルの引き上げがなされています。

パプア州中央部および高地パプア地域  

上記を除く全土  

市民騒擾の恐れがあるため、パプア州中央部および高地パプア地域に「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されています。   それ以外の地域についてもテロの危険性があることから「十分警戒してください:Exercise increased caution」が設定されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

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イギリス政府が注意喚起を高く設定しているのはすべて火山活動が確認されている火山周辺です。

シナブン山の周囲5キロ

スメル山の周囲5キロの範囲

マラピ山の周囲3キロの範囲

ルアン山の周囲7キロの範囲

イブ山の周囲7キロの範囲

レウォトビ・ラキラキ山の周囲7キロの範囲

上記火山の周辺には「渡航を推奨しません:Advise against all travel」が設定されています。

 

テロの危険性が他国よりも高いこと、また銃器を用いた犯罪被害が頻発していることについて説明がありますが、ジャカルタやバリ島等イギリス人が多く訪れる地域のリスク評価は「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」となっています。    

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」にリスクレベルが引き下げられました。
 
ただし、医療面の懸念とは別にパプア州の大部分に対しては治安上の理由から「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。

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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

パプア州の大部分に対して上から二番目のリスクレベルである「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。

その他の地域は全域5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。

オーストラリア政府は特に全土でのテロリスクを強く警戒しており、ジャカルタ、スラバヤ、バリ島といった観光地でも常に周囲に気を配り安全を確保するよう呼び掛けています。

また、地震や津波、火山の噴火といった自然災害リスクにも言及されており、最新の現地メディア情報に注意するよう呼びかけられています。

6.最近の治安ニュース

インドネシアジャワ島中部での日本人交通事故死(2024年3月15日)

インドネシア選挙前のテロリスト大量逮捕(2023年11月)

インドネシアバンドンでの警察署自爆テロ(2022年12月7日)

インドネシアサッカー会場での死者を伴う混乱(2022年10月1日)

インドネシア東部民間人への待ち伏せ攻撃(2022年7月17日)

インドネシアスメル火山の噴火(2021年12月4日)

インドネシア首都警察本部付近銃撃事案(2021年3月31日)

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