2024年7月中旬以降イラン国内でデング熱感染事例が増えています。昨年までイラン国内でデング熱患者が多数発見されることはなく、本年初めて感染拡大が懸念されています。イラン滞在中の方は蚊に刺されないよう例年とは違う対策を講じることを推奨します。
イラン保険省が発表した感染拡大地域はホルモズガン州、シスタン・バルチスタン州、ブシェール州、ギーラーン州、マーザンダラン州、ルダビール州の6州です。首都テヘランでは今のところ感染拡大は報告されていませんが、今後ネッタイシマカによる感染媒介が広がる恐れが指摘されています。デング熱感染者が例年多いパキスタンとの国境ではデング熱感染の有無を確認する検疫も行われています。
デング熱は蚊によって媒介される人獣共通感染症であり、感染した場合風邪のような症状から激しい出血熱に至るまで様々な症状が発生します。蚊に刺されないことが最大の予防策であり、長袖、長ズボンの着用や蚊よけの利用が推奨されます。
これまでその国・地域で発生例がなかった病気は免疫を持つ人物も少なく、感染が拡大しやすいと言えます。他方で、過去の経験値から予防策も十分とは言えません。最悪の場合死に至る感染症であるという前提で、予防策や早期の医療機関受診が推奨されます。