「何を守るか」明確にすれば迷わない

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危機が発生してから迷うという現実

 

代表の尾崎です。先日当方スタッフから香港やイラク/イランの

 

「なんで早く避難するっていう判断にならないんでしょうかね?

必要最低限の人数で現地業務を絞ればいいんじゃないでしょうか?」

 

なんとことを言われたので思わず、

 

「そんな机上の空論を振りかざすな」

 

と叱責気味にまくし立ててしまいました。普段スポーツ観戦以外で大声を出すシーンが少ないので、一瞬パワハラ扱いされるかと思いましたが本人がコラムのネタとして書いていたのでああ、これは大丈夫だと安堵しています。

 

さて、そのコラムにもある通り昨年後半に市内での混乱が大きくなった香港ですが、11月28日時点でも現地の日本企業の3分の1が家族の一時帰国について態度を決めかねているとの報道がありました。

8月9日、香港空港を占拠するデモ隊の様子を報じたCNNのウェブサイトよりキャプチャ

 

香港では結果的に邦人が大勢負傷したり、香港から長期間脱出できなくなるといった事態にはつながっていません。そのためわざわざ家族を香港から避難させなくてもよかったとも言えます。が、これは事態の推移を見守った後だから言える「後出し」の理屈でしかありません。6月~8月の状況がさらに深刻化していた場合、悠長に構えていては駐在者の家族にも被害が出ていたかもしれないのです。

 

尾崎が日本企業・団体を相手にお話を伺っていて常々感じているのは海外での安全管理における「判断基準」の曖昧さです。一般的なビジネスの場合、就業規則や人事評価、また組織的な判断の決裁基準等、誰が何を、どのような基準で決めるのかが定まっています。新規プロジェクトへの投資判断の基準や、賞与の金額といったマニュアルや規則等で明文化されていないテーマでも財務的な余裕や採算見通しは計算できますし、経営者の経験で判断することが

 

では、香港やイラン/イラクのような現在進行形で混乱が継続している場合、どういう基準で駐在者あるいは家族の国外への避難を決定すべきなのでしょうか?

 

【次ページでは・・・安全対策の原理原則を再確認しましょう】