「不意打ち」リスクを高めるNG行動

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配信ニュースの選定基準

こんにちは、代表の尾崎です。例によって、「代表のつぶやき」コーナーでは私が感じていることをかなり奔放に書いていこうと思います。

 

さて、当サイト及び関連のツイッターでは日々多くのニュースを配信しています。世界各地で多くの治安事案や政情不安、自然災害等が発生していますが、そのすべてを配信しているわけでは決してありません。あまりにも多くのニュースがあふれているので、配信が間に合わないというのも要因の一つですが、当サイトで配信するニュースを決定する際には、一定のルールを設けているからです。

 

当サイトのX(旧ツイッター)アカウント

 

当サイトが配信するニュースの主な基準は以下の通りです。

 

 ・日本人の安全に影響がある治安事案、政情不安、自然災害等

 ・避難や回避行動が必要な事態

 ・日本語大手メディア等であまり報じられていない情報

 ・宗教行事や選挙等あらかじめ予測可能な未来のリスクイベント

 

私自身が特に気を付けているのは3番目と4番目です。3番目は文字通り日本語の大手メディア(テレビ、新聞、Yahoo!ニュース、ニュースアプリ等)で取り上げられていない、言い換えれば一般の方に届いていない情報。そして4番目の項目はあくまで未来のリスクイベントですので、発生済みのニュースを報じるメディアはあまり取り上げようとしません。

 

つまり、当サイトでは意識的に日本人の皆さんが見落としているニュースや注意喚起を配信するようにしているのです。反対に世界的に大きく報道されているニュースは、最低限の情報提供は行いますが、既に多くの日本人の方も何らかの形で情報を入手していると考え、あまりしつこくならないように心がけています。

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 コロナウイルス報道の弊害

2020年1月中旬ごろから中国の湖北省武漢を中心に感染が広がった新型コロナウイルスによる呼吸器感染症のニュースが目立つようになりました。2月上旬の時点でも中国を中心に感染報告、死亡者数は増え続けており、警戒を緩めるべきタイミングではないことは明らかです。日本の大手メディアが大きく取り上げ始めたのは1月15日前後ですから、少なくとも執筆時点まで約2週間はコロナウイルス関連情報にかなりの時間、スペースが割かれている状況です。(なお、当サイトでは1月5日の時点で、大手メディアが取り上げていないけれども中国の疾病管理能力や春節のタイミングから日本人にも影響が出る、と判断して注意喚起を始めていました)

新型コロナウイルスの感染性、病原性については依然WHOや各国保健当局の間で研究が進められており、軽視してよいとは思っていません。しかしながら、あまりにも多くの時間/紙面をこの感染症にかけすぎているようにも思います。なぜ、「かけすぎ」と感じるかと言えば、普段なら多くの日本人の方に伝えてもらえたであろう重要なニュースですら、報道が減っていると感じるからです。テレビではニュースの時間が限られていますから、コロナウイルス情報に時間を割けば割くほど他のニュースを取り上げる時間は減ります。新聞の紙面も同じですね。

 

例えば日本時間明日5日午前中に行われるであろうトランプ大統領の一般教書演説やニュージーランド観光地の大洪水、もしくはナイジェリアで死者が増えているラッサ熱といった話題はもっと取り上げられてよいはずです。特に一般教書演説でアメリカの中東政策をどのように説明するかによっては、再度イランとの対立が先鋭化したり、パレスチナ等中東諸国での抗議活動激化等も懸念される状況です。感染症であれば治療するチャンスがありますが、万が一戦闘や抗議活動に付随する暴力などが発生するとその場で多くの人命が失われかねません。(先日トランプ大統領が発表した新たな中東和平案はパレスチナはもとよりアラブ連盟からも反対が表明されており「火種」としてくすぶっています)

 

世界各地の情勢を俯瞰し、ご活躍中の日本人の安全を願う身としては、新型コロナウイルス一色の報道は弊害もあるよなぁ、という感覚を禁じ得ないのです。

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リスクの見落としは「不意打ち」のもと

私、尾崎が新型コロナウイルスに多くの時間を割くメディアの姿勢に疑問を呈しているか、と言えばその裏で報じられない、取り上げ方が小さくなる重大ニュースが増えるからです。本来は多くの日本人の方に影響があるにも関わらず、目立つニュースに時間を割くがゆえにそのリスクが伝わり切らないことを懸念しています。個人的には一般教書演説後の中東情勢流動化が心配ですし、日本ではほとんど報じられないまま数十人が死亡しているナイジェリアのラッサ熱流行も気になっています。

 

 

ボクシングをはじめとする格闘技では顕著ですが、派手なノックアウトが発生するのはガードがはずれ、攻撃をまともに食らったケースです。どんなに強力な攻撃でも、その動きを予知し、あらかじめガードしておけばそれなりのダメージを受けたとしても、膝から崩れ落ちるということはまずありません。しかしながら、何かの拍子にガードできなかったり、予測できない動きで攻撃をされた場合には一発KOもあり得ます。

 

安全管理において「ノーガードで殴られる」は絶対に避けるべき事態

 

世間の注目、メディアの報道ぶりが新型コロナウイルスに集中している今、ニュース等で取り上げられないリスクを軽視していると「ノーガードで殴られる」ことにもつながりかねません。一つのテーマに報道が偏っているタイミングでは報じられないリスクが何かないだろうか、見落としている脅威情報はないか、という点を意識して情報収集することをおススメします。特に企業内で安全管理を担当される皆さん、海外駐在者の皆さんは大手メディアの報道量=リスクの絶対値ではないことを忘れないでいただければと考えています。

 

この項終わり