信頼できるセキュリティコンサルタントに出会うコツ

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安全対策で困った時誰に相談する!?

皆さんは法律問題関連でなにか困ったことがあった時、どんな人に相談されますか?

 

おそらく、皆さんがよほど法律に詳しくない限りは「弁護士」を探されるのではないかと思います。一般人にはなじみのない表現でつづられる法律、それも◎◎法、△△法…と大量の条文を読み解くのは素人には難しいでしょう。法律に加えて過去の裁判所の判断、すなわち「判例」への知識や解釈も求められるとなれば国家資格を保有する弁護士の先生にお願いすることが近道であることは言うまでもありません。

 

似たようなお話は他にもあります。税金の問題で困ったら税法に詳しく、各種税金関連の手続きに精通した税理士に相談することになるでしょう。社員の心身の健康、あるいは労働問題に関することであれば顧問医や社会保険労務士といった方に相談するのが手っ取り早いでしょう。

 

ビジネスの話題を離れ、皆さんご自身の健康について考えてみてもいいかもしれません。どこか体調が悪いな、と感じられる時にはまず病院に行ってお医者さんの診察を受けることを考えられるのではないでしょうか?どの病院に行くべきか、何科で診察をうければいいかを調べる必要はあるかもしれませんが、少なくとも「病院に行こう」という判断がぶれることはないはずです。

 

ご自身では対応できない分野は他の人で得意とする、あるいは専門の資格を持つ方を頼る。これは皆さんがごくごく当たり前に、社会生活の一部として受け入れていることではないかと思います。

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では、海外に社員・関係者を駐在/出張させる時、あるいは学生を留学させる際に海外での安全管理はどうでしょうか?皆さんご自身で、各国・地域の治安情勢を十分に把握できるでしょうか?また、急な体調不良や予想外のトラブル、あるいは現地で犯罪被害に遭った際渡航者に的確なアドバイスを送ることは可能でしょうか?

 

そんなことは起こらないから大丈夫?新型コロナウイルス感染症やその他日本ではなじみの薄い感染症が流行するかもしれませんし、渡航者が滞在する地域で自然災害が発生するかもしれませんが、その場合でも皆さんご自身で対応されますか?

 

海外旅行保険があるから大丈夫?保険は社員・学生等関係者がなんらかの被害に遭った後金銭的な補償を得るという点で重要ですね。しかしながら、万が一お亡くなりになってしまった場合は金銭的な補償で会社・学校の責任は満たせるのでしょうか?万が一の発生後に保険は威力を発揮しますが、万が一が発生しない/させない取り組みは必要ではないでしょうか?トラブルを未然に防ぐノウハウを皆さんがお持ちであればよいのですが…

 

皆さんがご自身で対応できないとすれば、弁護士、税理士、社会保険労務士、あるいは医師のようにその分野を専門とする方を頼る必要があるでしょう。少なくとも相談窓口を知っておくに越したことはありませんよね。では、海外での安全管理について誰に相談すればいいでしょうか?

 

日本を含め、世界には「セキュリティコンサルタント」やそれに類する職業があります。日本の皆さんがイメージしやすいそれに類する職業は「警備会社」かもしれませんね。海外の警備会社と一部似たような業務を展開している国内の大手警備会社はCM等でご覧になったことがあるでしょう。

こうした職業は上述した専門家と違って国家認定資格というわけではありませんが日々世界各地の治安情勢を観察し、犯罪の発生傾向や政治情勢、あるいはテロ組織の動向などの情報を収集している人たちがいるのです。もちろん「海外安全.jp」を運営する我々もその一員ということになりますね。

 

もし皆さんが海外に関係者を派遣する際の担当者として指名された場合、あるいは留学生を送り出す大学/学校法人の国際交流部門でご活躍されている場合等で、万が一にも関係者が危険な目に遭った時にどうしようか、とお悩みの際には「セキュリティコンサルタント」には相談しうる、ということだけでも覚えていただければこの記事は存在価値があろうと思います。

 

他方で、弁護士の先生であれば企業法務も離婚訴訟も、あるいは冤罪の可能性のある被告人の弁護まで幅広い業務がありますよね。どんな分野でも対応可能という弁護士の方はいらっしゃるのかもしれませんがごく稀でしょう。お医者さんも同じ。内科、外科、循環器、泌尿器、小児科、眼科、皮膚科、精神科全部できます!という方はおそらく世界中を探してもいらっしゃらないと思うのです。

 

同じように「セキュリティコンサルタント」だから全部任せればOK!という世界は存在しません。セキュリティコンサルタントにも専門分野があり皆さんが、何を相談したいかによって適切な相談相手が変わってくるのです。弁護士や医者であればある程度専門分野を思いつくと思いますが、ことセキュリティコンサルタントについてはどんな専門分野があるか、の見当をつけることも難しいので次のページではその点をご説明しましょう。

 

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セキュリティコンサルタントの専門分野は?

海外での活動に際し、セキュリティコンサルタントや警備会社の活用をおススメしました。ではどの会社がいいでしょうか?と言われるとその答えは一つではありません。世界的に大手と呼ばれる会社はいくつか存在しますが、大手だからいい、というわけでもないのです。セキュリティ関係の会社には必ず得手不得手があり、どの企業・団体にもおススメできる会社はありません。

 

健康を害した際に

 

「絶対にこの病院に行っておけば大丈夫!」

「この先生に診てもらえば安心!」

 

という病院をご存じでしょうか?残念ながらそういう万能医はいない、ということは皆さんもご承知の通り。外科に行くのか、耳鼻咽喉科に行くのか、眼科に行くのか、あるいは心療内科にお世話になるのか、ある程度皆さん側で診療科の目星をつけて相談を始める必要がありますね。

 

セキュリティコンサルタントにもそれぞれ専門分野があります。例えば、以下のような項目によって求められる能力は異なります。また、どの国・地域でこうした対応が必要なのか、によっても必要な情報源や人脈がおのずと変わってきますよね。

 

・警備員の配置

・監視カメラの設置やモニタリング

・防弾車の手配

・ボディーガードの派遣

・施設・建物周辺の防御壁建設

・万が一の際の退避誘導

・テロや犯罪等のリスク情報収集

・テロや銃撃等に巻き込まれた際の模擬訓練

・緊急時の支援スタッフ派遣

・急病や大けがの際の緊急搬送

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防弾車一台の平均予算は数千万円~。運用維持費も通常の車両とは比べ物にならないコストが必要。専門のコンサルタントと共に仕様や運用方法を検討すべき

 

どんな国でも、どんなニーズにもお応えします!というのは、営業部門は言いがちな発言ではありますが、そうそう簡単なことではない点ご理解いただけたのではないでしょうか?

監視カメラメーカー出身のコンサルタントであれば監視カメラの種類や活用法、最新の不法侵入検知ソフト等詳しいでしょうが、その人がシークレットサービスのような要人警護の手法を極めているか、と言えば決してそうではありません。

 

もし、こうした専門分野があることを知らず、また担当コンサルタントの得意分野もチェックもせずに

 

「警備員の配置はセキュリティ会社がやるから」

「監視カメラ映像の確認はセキュリティ会社にお任せしている」

「緊急時は保険会社に連絡すればあとは何とかしてくれる」

 

といった具合に安全管理を丸投げして安心しているのは非常に滑稽です。医療分野で言うならば「心臓血管の手術を精神科の先生にお願いする」ような行為に近い可能性だってあるのです。皆さんの命がかかっているのですから、できる限り手間を惜しまず、どういった得意分野を持っているセキュリティ担当者が自分たちの安全対策業務を担っているのか、は把握しておきましょう。

 

そして、ある程度委託先セキュリティ会社の得手不得手を把握した上で、対応力の乏しい安全対策項目があれば、組織的に対応を求めるか、可能ならその項目を得意とする別のセキュリティ会社の活用も検討したっていいかもしれません。繰り返しになりますが、安全管理の仕事は皆さんの命に直結する仕事なのです。守られる側である皆さんがセキュリティ会社を使いこなすことが命を守るために必要であることをぜひご理解下さい。(セキュリティ会社の言いなりになってはダメなのです)

 

 

皆さんが所属する各企業・団体、あるいは大学/学校法人の海外での活動実態は多岐にわたります。活動している国や地域も違えば、現地で活動する人数、現地の活動範囲にも幅があります。関係者の守り方、施設や資産の守り方には複数の選択肢があり、クライアントである企業・団体が安全対策に割ける予算も踏まえて総合的に検討を進めていかなければならないことです。自分たちの事情にあったお医者さんを選ぶように、企業・団体がそれぞれの事業規模や活動内容によって適切なセキュリティコンサルタントや警備会社を選ばなければいけないのは間違いありません。

 

ただし、ここで問題が一つ。お医者さんであれば口コミや手術実績数のランキング等、どの病院がよさそうか、どの先生が信頼できそうか、少し探せば見つかります。ではセキュリティコンサルタントの質はどこで参照できるのでしょうか?

 

 

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信頼できるセキュリティコンサルタントを見つけるコツ

この世の中には海外での安全対策について相談できる「セキュリティコンサルタント」という職業があることをご紹介しました。その上で、「セキュリティコンサルタント」にも細かく担当分野が分かれていることもご説明してきました。

 

しかしながら弁護士や医師と違い、知名度が極めて低い「セキュリティコンサルタント」の質を見極めることは可能なのでしょうか?実績や口コミ点数ランキングや『頼れる病院リスト』のような一般公開された資料は存在しません。実際に皆さんがそれぞれの課題について相談した際の反応で担当の「セキュリティコンサルタント」の質を判断するしかないのです。

 

では実際に危険な目に遭うまで担当しているセキュリティコンサルタントの質がいいか、悪いかわからないか?と言われると決してそうではありません。仕事の相手を見定めるのと同様、これができるということはある程度信用していいんじゃないか、という見極めポイントがある程度決まっています。反対にこの人は調子がいいことを言うけれど、本当にそうだろうか?と胡散臭さを感じる相手がいるように、こんな発言をする相手はセキュリティコンサルタントとしてはあまり好ましくない、というパターンもあり得ます。

 

私どもも「セキュリティコンサルタント」業界の一員です。我々自身気を付けていることを中心にセキュリティコンサルタントの質を見極めるポイントをご紹介したいと思います。なお、セキュリティコンサルタントも人間です。クライアントである皆さんとの相性、また前のページでご説明した通り必要な専門的能力の方が大事なこともありますので以下の基準が絶対であるというわけではありませんのでご注意下さい。

 

◎もしかしたら能力以上の発言をしている可能性があるケース

1)「絶対にこうなる」と断言する相手は「?」

2)「ほら、言った通りでしょう」と頻繁に言う相手は「?」

3)全世界どこでも対応可能という人は「?」

4)「すべてお任せください」とクライアントの関与を下げようとする人は「?」

 

◎一定の信頼がおけるコンサルタントの対応例

1)今後想定される複数のシナリオとその根拠を示すことができる

2)複数の対応策において、先行事例、優秀な取り組み事例を提示できる

3)専門外の国・地域になった時につながりのある会社/専門家を紹介する

 

 

いかに治安や政治情勢の専門家、安全管理の専門家と言えど、正確に未来を予測することは困難です。セキュリティコンサルタントは予言者ではなく、あくまで情報を丁寧に積み重ね、将来のリスクを予測・低減することが仕事です。様々な要因が複雑に絡み合い、一国の首脳級ですら予想しなかったことに対応しなければならないのが現代社会です。因果関係を単純化し、帰結を一直線に述べるタイプのセキュリティコンサルタントには必ず、その根拠やそれ以外のシナリオを確認するようおススメします。なお、絶対に悪いことが起こるのでこのサービスを(追加で)契約してください、というのは当サイトとしては一番感心しない営業方法です。

 

また、

「全世界どの国・どの地域でも対応できます」

「どんな専門分野でも私が対応しますのでご安心ください」

という発言はむしろ不安を感じていただいたほうがよい発言です。一人のお医者さんが心臓も目も、泌尿器も、脳神経も対応します、大丈夫ですと発言したらさすがにそんなはずはないと思う方が大多数でしょう。アフリカで求められる安全管理業務と中南米で求められる安全管理業務、は言語や現地の習慣の違いもあって全く別です。あるいはアメリカ国内一つとっても州によって、都市によって全然事情が違うので、すべて一人のコンサルタントが対応することは不可能です。直接の担当者は一人であっても、その担当者にアドバイスや情報を提供できる体制がどうなっているか、はしっかりと確認されることをおススメします。

もし自分のよく知っている国・地域以外の相談が来たな、と感じたら躊躇せずその国・地域の専門家を紹介してくれる方は間違いなく信頼できると言っていいでしょう。自分の守備範囲を理解していること、また必要な他地域の専門家との信頼関係に基づく人脈はその人の安全管理能力そのものです。

 

 

長々と述べてきましたが、海外での安全管理を皆さんご自身が直接担当することは容易ではありません。社員・関係者の命を預かる責任者は皆さんであったとしてもその仕事のために信頼できるアドバイザー、相談相手、コンサルタントを活用することは決して不思議なことではないのです。

「セキュリティコンサルタント」という役割を担う人間が日本にもいること、そして皆さんと担当のコンサルタントが適切に役割分担を行い、よりよい安全管理体制を構築されることを願っています。この記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。

この項終わり