コンサート中のテロを想定した避難訓練

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世田谷区が主催するコンサートイベント

 

今週末、世田谷区が

 

『コンサートを聴いている途中で万が一テロが発生したら・・・』

 

という想定で、コンサートと避難訓練を組み合わせたイベントを主催するそうです。

既に参加申し込みは締め切られているようですが、尾崎はこのイベントのチラシを最初に見た時、すぐに「これはイイ取り組みだし、面白いイベントだな」と感じました。

参考リンク⇒「第2回 避難訓練プラスコンサート」

 

 

少し調べてみるとこういった避難訓練とコンサートを組み合わせたイベントは数年前から各地の自治体でも行われているようです。ご関心ある方は、お近くの自治体が主催する類似のイベントを一度経験してみてはいかがでしょうか?

 

個人的には「面白い」という評価以上にこのイベントの意義を高く評価しています。一般的な避難訓練と比べても、より実生活に近い状況の中緊張感をもって危機を回避する訓練ができるからです。以前から尾崎は学校や職場で行われる避難訓練に対し「中途半端で、物足りないなぁ」というk中区を持っていましたが、このイベントはその心配がなさそうです。

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「いまからテロを始めます」というテロ実行犯はいない

避難訓練というとたいていは学校や職場で、

 

「はい!では今から避難します!」

 

と何らかの合図で避難を開始するケースが
多いのではないでしょうか?

 

ぞろぞろと世間話や仕事の話などをしながら普段は使わない避難階段を歩いて降り、少し広くなったところでチームごとに点呼、その後消防署の方からの講評などを聞き流す・・・。これが世間一般で多く行われている避難訓練ではないでしょうか?

 

今まさにどこかで火が燃え広がっている!

同僚の何人かが既に殺されたかもしれない!

誰がどういった役割を担って危機対応をするのか??

 

といった緊張感はあまり感じられません。全く訓練をやらないよりは年に一度は避難経路を確認できるので、意味はあるのですが、実際に発生しうる危機的状況とはかけ離れた状況で移動だけする、というのは何とも中途半端です。

 

加えて当然ながら、本当の非常事態は

 

「今から地面を揺らしますから逃げてね」

「火事がおきますよ、おきますよ、はい燃えた!」

「テロやりまーす!」

 

といった合図の後に発生するわけではありません。ごくごく当たり前の日常生活を突然遮る形で災害やテロが発生するのです。

 

例えば、2年前イギリスでアリアナグランデさんのコンサートが終了した直後に自爆テロが発生し20名以上がお亡くなりになりました(以下参考リンク)。また、2016年にアメリカ、オーランド州で発生した襲撃事案や、2017年のトルコで発生した襲撃事案では大音量の音楽が流れるナイトクラブでの事件だったため、発砲音を音楽の一部と認識して逃げられなかった方もいたようです。

大勢の人がお祝いに参加しているイベントほど何かあったときに避難が難しい(写真はインドのホーリー祭)

 

テロや襲撃、自然災害は常に予告なくやってきます。

 

まさか会議中にこんなことが起こるなんて!

まさか休日のイベント中にこんなことに巻き込まれるなんて!

 

という実践的な避難訓練こそ本当に必要な安全対策でしょう。

この意味で各地の自治体が行っているコンサートと避難訓練を組み合わせたイベントは非常にいい取り組みだと思います。

この項終わり