有事の際は日常のルールを捨てる!

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緊急事態対応は日常のルールを忘れる

今、自分が(もしくは自分たちの組織が)緊急事態に巻き込まれているかもしれない、と感じたらどうすべきなのでしょうか?

 

まず第一に客観的な危険度を認識することです。そのためには

 

 複数のメディア情報源からニュースを得る、

 各国政府が当該地域のリスクレベルを引き上げていないか確認する、

 日本政府外務省は避難を呼びかけていないか確認する、

 日本本社もしくは第三国の安全管理担当者の意見を聞く、

 

といった当事者ではない存在の見解も忘れずに把握することです。

上:イランーアメリカ対立先鋭化前の日本政府危険情報 下:イランーアメリカ対立先鋭化後の日本政府危険情報

 

その上で、さらに大切なのは、非常事態発生時は日常の延長で対応しないと決めることです。

日頃はお金の扱い方や意思決定のルールや段取り、もしくは海外移動時の手続き等各企業・団体内で決まり事があると思います。しかしながら、こうした決まり事はあくまで「平時」の時のもの。命を守ることよりも優先される決まり事などありません。

 

当たり前に聞こえますか?しかし、代表の尾崎が阪神大震災の被災直後に学校に行かないとと感じたように、人間の正常性バイアスは危機的状況下でも日頃守っている決まりごとに忠実であろうと考える可能性があるのです。極端に例えるならば、通り魔やストーカーなどに追いかけられているのに赤信号を守るのか?というのと同じで、客観的に見れば滑稽でも当事者は無意識のうちにやってしまいかねない心理現象であることを思い出してください。

 

非常事態が発生している国・地域から離れる際は決まり事違反があってもやむを得えません。まずは避難。危機を逃れた安全な場所で、はじめて決まり事を踏まえた事後対応を行うべきなのです。現地駐在者や出張者が正常性バイアスに陥っているなと感じたら日本の本社や周辺国の拠点から

 

「今は有事だ。決まりごとはいいから一旦避難しなさい」

 

と声をかけることも効果的です。

 

大切なことなのでもう一度繰り返します。

緊急事態に対処する時は日常のルール、決まりごとは一旦きれいさっぱり忘れ、命を守ることに専念する。正常性バイアスという人間のいかんともしがたいクセを踏まえた対応を取っていただくことを強くおススメします。

 

この項終わり