危険回避後の「出口戦略」はあるか?

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緊急事態宣言の延長と「出口戦略」

新型コロナウイルス感染症の対策として、日本政府は「緊急事態宣言」の延長を決定しました。4月7日から一か月間不要不急の外出・帰省、飲食店の営業、大勢が集まるイベント等の自粛は5月末まで継続することになりました。東京や大阪等感染者の多い13の都道府県以外では、少しずつ自粛要請の範囲が緩和される見通しです。

 

2020年5月5日時点での新型コロナウイルス感染状況(米ジョンズホプキンス大の統計ページよりキャプチャ)

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が話題になり始めてから早くも3か月が経過しており、日本国内には「自粛疲れ」ともいえる状況が発生しているとの指摘もなされています。このため、緊急事態宣言の延長と同時に話題に上り始めたのはいつ、どのような形で日常生活を取り戻せるようになるのか?という「出口戦略」。

 

日本と比べ感染者数、死者数共に被害が甚大だった欧米諸国では初期に設定した外出規制(ロックダウン)が極めて厳格だったこともあり、「出口戦略」の設定では日本より先行しています。感染者数、死者数の増加ペースがやや落ち着いてきたことを踏まえ、非常に厳しい外出制限を少しずつ緩和していくという選択肢です。当ウェブサイトの「新型コロナウイルス感染症関連特設ページ」でも注目ニュースとして取り上げています。

 

2020/4/24 (参考情報)ベルギー政府は「コロナウイルス危機の出口戦略」を公開しました。今後、感染状況を確認しながら、5月4日以降一週間ごとに少しずつ行動制限を緩和する可能性が記載されています。

2020/4/16 (参考情報)アメリカ政府は「アメリカ再開のためのガイドライン」を公開しました。今後、連邦政府及び各州政府が感染の拡大スピードや医療体制等の状況を踏まえ、経済活動/日常生活の再開について判断する方針です。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大初期はとにかく医療崩壊の防止と感染拡大の抑止が最優先でした。そのため、国民生活を多少犠牲にしてでも、経済活動の極端な停滞を覚悟してでも緊急的な都市封鎖が必要だったと言えます。国民生活の犠牲を軽減する方策や経済的影響の緩和は後回しでしたが、ここにきて感染症対策と日常生活の維持の両立が検討され始めたと言えるでしょう。

 

【次ページでは・・・海外での安全管理でも緊急対応とその後の対応はほぼ同時並行で行う必要があります】