最善を望みつつ、最悪に備えよ

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同じ国、周辺地域での似た「変化」を振り返る

 

最後に仮説を検証する際に参考にできそうなコツをご紹介しましょう。

もし治安情勢に関して何らかの「変化」に気づいたときは、が同じようなことが過去にその国で起こっていなかったか、確認してみてください。余裕があるのであれば、その国の周辺地域でも似たようなことが発生していなかったか、参考にできればベストです。

 

治安の悪い国、特に外務省が設定する危険情報レベルの高い国では過去に似たような「変化」が起こっていることがしばしばあります。そのような治安情勢の「変化」が観察された後、大きなテロや襲撃が発生したことがあったのであれば、これもより一層警戒を高めるシグナルでしょう。

今般の新型コロナウイルス感染症の対策強化も過去の同様の事例、つまりSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大を反省して封じ込めを最優先に取り組んだものです。

 

『賢者は歴史に学ぶ』

 

と言われることがありますが、過去の経緯を踏まえて、現在直面している治安情勢の「変化」が自分たちにどの程度影響するか、を想像してみるのは、自分たちに迫る危険を冷静に判断することに役に立つと思います。

 

 

また、弊社で実際にやっている取り組みですが、特定の国で観察された治安情勢の「変化」が他の国で起こったことがないか、を検索しています。例えば、

 

 歴史的な経緯が似ている国、

 所得階層が似ている国、

 開発課題が類似している国、

 

などでは、同じような治安情勢の「変化」が観察されることがあります。当該国だけでなく、そういった国で類似の「変化」の後何が発生したか、を確認すれば、より治安情勢の変化が想像しやすくなるのです。

 

長く同じ国に駐在している方がいる場合や、特定の国で長くビジネスを展開されている企業様であれば当該国での治安情勢の「変化」は記録にも記憶にも残っているかもしれません。

ただ、最後に付け加えた他国での治安情勢の「変化」の後どうなったか、は通常業務の一環として取り組んでいただくにはちょっと負担が大きくなりそうです。もし、進出先の国で不安な治安情勢の「変化」があったのだけど、他の国での事例も知りたい、というご要望があればコチラからお気軽にお問合せください。