日本犯罪統計からみる海外での安全対策

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海外では日本の常識は通用しない

では、海外ではどうでしょうか?日本と各国の警察でどのような犯罪をどういった種別に分類するのか、またどの時点で統計に算入するか、が異なるため、単純な比較はできませんが、おおよその目安として紹介させていただきます。

 

例えば日本人の方も多く旅行されているスペイン。

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外務省が管轄する在スペイン日本大使館「安全の手引き」ページより抜粋

 

こちらの数字によれば、2019年スペインで発生した窃盗事件数は834,245件(三種類の単純合計です)となります。スペインの人口は約4700万人ですので、人口10万人当たり1,775件ほどの窃盗事件が発生していることになります。前ページで計算した通り、日本では10万人当たりの窃盗事件認知件数は336件ですので、これは実に日本の5倍以上の数字ですね。

(ご参考までスペインに対する日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア各国政府の各国民向けトラベルアドバイスをまとめたページはこちらにあります)

 

イラクやアフガニスタンのように、「どう考えても命に危険がある」というイメージが描けないため、スペインを含め『安全な国』と思い込んでいる先進国は多くあります。特にヨーロッパや北米の国はそうだと思いますが、実際にはスペイン同様日本の数倍~10倍くらいの一般犯罪(すり・置き引き、ひったくり等)が発生しているという事実は覚えておいたほうがベターです。

 

『先進国だし、街中も清潔だし、インフラも整っているし、日本と同じように過ごせるね』という考えは通用しないのです。

 

【次ページでは・・・日本人の置き引き被害事例から反省点を説明します】