銀行口座の不正引き出しから考える安全対策

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銀行の不正引き出し事件

既に多くのメディアで報じられている通り、あちこちの銀行で他人に成りすまして口座から現金を引き出すといった不正引き出し事件が発生しています。最初にメディアで大きく報じられたのはNTTドコモが運営し、35の銀行と連携して送金や店舗での支払いができる「ドコモ口座」というもの。NHKの報道によれば、9月28日夜の時点で不正な引出しが確認されたのは11の銀行で219件、被害総額は2848万円とのこと。

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不正な引出しと見られる記録(TV東京のニュース映像よりキャプチャ)

 

日本の金融機関で預金残高が最も多いゆうちょ銀行でもドコモ口座を利用した不正引き出しの他、自社デビットカードサービスでも不正引き出しが行われていたと発表されています。関連の不正引き出しはわかっているだけでも380件、6000万円をこえると報じられています。

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記者会見で謝罪するゆうちょ銀行の池田社長(プレジデントオンラインのウェブサイトよりキャプチャ)

 

このほかにもコンビニエンスストア、セブンイレブンを展開するセブン&アイホールディングスも自社の金融サービス「セブンペイ」で不正アクセスが大量に発生し、約5500万円の被害が発生、サービス中止に追い込まれた事案も記憶に残っておられるかもしれません。

 

生活に必須のお金が知らず知らずのうちに奪われてしまうというのは由々しき事態です。日本の名だたる金融機関や通信会社、流通企業をもってしても不正被害を防げなかったことで、今後インターネット等を活用した金融技術(フィンテック)全体に不安が寄せられているとの指摘もあるようです。確かに、いつ盗まれてしまうかわからない口座には安心してお金を預けられません。

 

本件を当サイトとして糾弾するつもりはありませんが、心身の安全管理にも関連のある「失敗事例」として少し背景を掘り下げていきたいと思います。

 

【次ページでは・・・「不正引き出し」はなぜ発生したのか】