パプアニューギニア治安最新情報(2024年9月)/海外安全.jp


0.パプアニューギニアにおける日本人向けの緊急連絡先

◎在パプアニューギニア日本国大使館  :+675-(0)321-1800

(注:日本の携帯電話からかける場合機種にもよりますが、「0」の長押し、もしくは「*」を二回押すと「+」が入力できます)

◎警察  :112

◎救急  :111/341-1028

◎消防  :110/325-5188

ディスクレイマー

・本ページは日本・アメリカ・イギリス・オーストラリアの各政府が発表しているトラベルアドバイス類を比較し、情報提供を行うことを目的としています。

・当サイトに記載の情報は、各国政府の発表内容及び当サイトが信頼に足ると判断した各種メディア情報を踏まえて掲載しています。

・本ページに記載された内容は各国における皆様の安全を担保するものではありません。

・当サイトでは、本ページ記載の情報を基に行った皆様の判断によって引き起こされる損害等の責任は負いかねます。

・海外への渡航に際しては、日本政府外務省や所属されている組織/団体、旅行会社等の具体的な助言に従い、ご自身で安全確保に努めていただくようお願いします。

本稿執筆監修者 / 海外安全.jp代表 尾崎由博

1981年生。2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練等を受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立、2020年株式会社海外安全管理本部を設立し代表取締役就任。クライアント行政機関、大手セキュリティー企業、開発コンサルティング企業、電力関連企業、留学関連企業、各種大学法人、一般社団法人や独立行政法人など講演実績:大阪弁護士会「パキスタン投資・リスクマネジメントセミナー」海外コンサルタンツ協会「海外活動安全強化月間セミナー」日経メッセ「セキュリティショー」「多元化する危機管理」他多数。日本経済新聞2020年11月24日付13面に寄稿記事が掲載。

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1.総論

パプアニューギニアに対してはいずれの国も一般犯罪と一部地域の武装勢力による武力衝突に警戒するよう強く呼びかけています。特にアメリカはブーゲンビル島南部に渡航しないよう呼びかけている他、オーストラリア政府も上から二番目(退避推奨の次)のレベルを一部地域に適用しており、警戒の高さが伺えます。

首都ポートモレスビーやレイといった大都市ではナイフ等を用いた集団武装強盗による被害が多く報告されています。日本やオーストラリア政府のアドバイスには日中であっても車両を使って移動すること、女性は単独で行動しないこと、といった具体的な注意喚起が記載されています。

西部ハイランド地域では警察と地元武装勢力あるいは地元の部族同士による武力衝突がしばしば発生する、といずれの政府も記載しています。国によってトラベルアドバイスのレベルに差はありますが、日本、アメリカやオーストラリアなどは立ち入りが必要か今一度再確認すべき、としている地域があります。

その他、地震や洪水といった自然災害、ポリオの蔓延にも注意が必要である旨、複数の国のトラベルアドバイスに記載されています。

【海外安全.jpのコメント】

パプアニューギニアに対しては、テロによる被害は発生していないものの、犯罪率が極めて高いこと、また一部地域の地元武装勢力による活動に注意が必要であるとされています。日本政府が発表している危険情報は国土の大部分で「レベル1:十分注意してください」に留まっていますが、実際の各国政府の注意喚起からはかなり高いレベルの注意が必要であることがわかります。

日本政府やオーストラリア政府のアドバイスにあるように、常に自分の安全に気を配り、日中であっても車両で移動する、女性は単独行動を絶対にしない、地元メディアの報道に常時留意する、といった点を確実に実践するようおススメします。

2.日本政府の危険情報

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南ハイランド州及びヘラ州に対し「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」が設定されていますが、国土の大半は「レベル1:十分注意してください」の対象となっています。ヘラ州及び南ハイランド州では部族衝突が発生しており、不用意に立ち入ると巻き添え被害が発生しかねない点注意喚起されています。

ただし、パプアニューギニアの犯罪発生率が極めて高いこと、男尊女卑の概念が根強く強姦も多く発生していること、警察機構が十分に機能していないことなどを踏まえ、犯罪被害に遭わないよう常に自分自身の身を守る意識を持つよう呼びかけています。特に日中でも移動は車両を利用すること、また女性の単独行動は避けるよう強くアドバイスされています。

 

また、屋外マーケットでも武装集団による強盗事件が発生していることが明記されています。カメラやスマホ等の貴重品を持ち歩く際は、周囲に十分警戒するよう呼びかけられています。また、外出の際はパスポートは持ち歩かず持ち歩く現金も最小限とするようアドバイスされています。

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3.アメリカ政府のトラベルアドバイザリー

現時点では新型コロナウイルス感染症の影響はリスクレベル設定の要因から除外されています。ただし、新型コロナウイルス感染症パンデミック拡大前の治安レベルに比して全体的にリスク評価が引き上げられている点に注意が必要です。

ブーゲンビル島パングナ鉱山付近

西部ハイランド地域

ブーゲンビル島パングナ鉱山付近、西部ハイランド地域一帯で市民騒擾のリスクが高いことを受け最も高いリスクレベルである「渡航を中止してください: Do not travel」が設定されており、両地域に立ち入らないよう呼び掛けられています。

上記を除く全土

高頻度の犯罪、市民騒擾、誘拐やポリオの流行状況などを踏まえ、ほぼ全土に対し「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider travel」が設定されています。

 

特に暴力的を伴う犯罪、レイプ、カージャック等が多く発生していること、また各地の武装勢力等による暴力行為が突然発生することなどへの注意喚起が記載されています。

4.イギリス政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時全土に「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されていましたが、現時点では感染症拡大前の以下のトラベルアドバイスに戻されています。

西部ヘラ州及び南ハイランド州、エンガ州では、武装した地元部族集団による暴力行為が発生していることを踏まえ「必要不可欠な渡航以外は避けてください:Advise against all but essential travel」が設定されています。これら地域にはパプアニューギニア政府による非常事態宣言が発令されていることも明記されています。

その他の全土に対しては、「渡航前に注意事項を確認してください:See our travel advice before travelling」が設定されています。ただし、犯罪の発生率が高く、また暴力的な犯罪が多いことを踏まえ、自身の安全に十分な注意を払い、夜間には外出しないようアドバイスされています。

首都ポートモレスビーやレイのような大都市ではカージャックも多く発生しているとされています。できる限り車列を組んで(コンボイで)移動することが推奨されています。

5.オーストラリア政府のトラベルアドバイス

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年~2021年10月末までオーストラリア政府は全ての国に対する渡航をやめるよう呼びかけており、すべての外国が「Do not travel : 渡航を止めてください」に指定されていました。2021年11月1日付で全土が「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」にリスクレベルが引き下げられました。
2022年12月20日付で主要部分はさらにもう一段階リスクレベルが引き下げられ、「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」となりました。コロナ禍前とほぼ同じ状態に戻されています。
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オーストラリア政府は4段階の色分け+白(評価なし)の5段階のレベルわけを行っています。

パプアニューギニアではエンガ州全域、ヘラ州全域、南ハイランド州全域及び西ハイランド州マウントヘーガンに対し、5段階中上から二番目の「渡航の必要性を再検討してください:Reconsider your need to travel」が設定されています。これら地域では地元部族による暴力行為が発生しており、注意が必要である旨明記されています。

上記を除く地域には5段階中真ん中の「十分警戒してください:Exercise high degree of caution」が設定されています。深刻な犯罪が頻発しており、犯罪への警戒が必要であることがその理由とされています。

また、しばしば市民による騒擾が発生すると記載されており、直近では2018年12月、2019年1月にアロタウで騒擾が発生し、警察が出動する事態になった記録も記載されています。群衆が集まっている場所には近づかないようアドバイスされています。

上記を踏まえ、常に周囲に注意し、現地の報道にも気を配るようアドバイスされています。

6.最近の治安ニュース

パプアニューギニア北部襲撃による住民殺害事案(2024年7月24日)

パプアニューギニア首都反政府抗議の暴徒化(2024年1月10日)

パプアニューギニア東部ラバウル周辺の部族間対立激化(2023年11月11日)

パプアニューギニア東部日本人の強盗致傷被害(2023年9月17日)

パプアニューギニア東部空港襲撃に伴う運航停止(2023年9月13日)

パプアニューギニア東部バガナ火山の噴火(2023年7月17日)

パプアニューギニアエンガ州部族間闘争の激化(2023年6月)

パプアニューギニア首都外国人への強盗殺人(2023年5月26日)

パプアニューギニア外国人拉致事案(2023年2月22日)

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