海外で緊急事態に巻き込まれると・・・
さて、日本では自然災害による「魔のスパイラル」への備えが一般論として大きな意味を持ちます。しかしながら、海外では自然災害に加えてテロや政情不安、場合によってはクーデターといった緊急事態でも「魔のスパイラル」が発生します。
自然災害で公共インフラや交通機関が止まるのはわかるけれども、テロや政情不安でそんな事態が起こるのだろうか、とお考えでしょうか?テロで電気や水道などが止まることは考えにくいですが、物資調達や避難に大きな支障が出る可能性があります。具体的にいくつか例を挙げてみましょう。
・テロ対策のため「外出禁止令」が発令され、避難ができなくなった
・雇用している運転手が出勤できない/事務所に駐車している公用車両まで誰もたどり着けない
・大規模な襲撃事件の影響で治安当局が携帯電話やインターネット接続を遮断した
・大規模な反政府抗議活動参加者が市内の飲食料品を大量に購入したため、一般市民の分がなくなってしまった
・その国にいる外国人が一斉に避難しようとして航空機の座席が取れない
いかがでしょうか?移動ができない、通信が遮断される、飲食料品/日用品が買えない、といった「魔のスパイラル」が発生しうることがお分かりいただけたでしょうか?自分自身は直接的にテロや政情不安の被害を被っていなかったとしても、日常生活を維持できなくなることがあります。個人レベルの生活だけではなく、海外の事業現場オペレーションも何らかの緊急事態が発生した場合には間接的な影響を受けるのは当然です。
日本での自然災害対策が「魔のスパイラル」によってしばしば影響されるように、海外での緊急事態対応も様々な「魔のスパイラル」を前提にしておかなければなりません。
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